ラグビーPRESSBACK NUMBER
ラグビーW杯の功績を風化させない!
元日本代表が子供達に託したボール。
posted2020/03/08 20:00
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Masataka Tara
作戦名は「ラグビーボール日常化作戦」だ。
かつての桜の戦士達が2019年W杯のレガシーを残そうと、ラグビーボールを配っている。2月26日は東京・足立区の千寿常東小学校で、特製ボールを3球プレゼントした。
「これは汚していいボールです。たくさん遊んで、たくさん汚してください!」
小学生にそう呼びかけたのは、小中学生を対象としたスクール事業を展開する『ブリングアップ(BU)ラグビーアカデミー』のメンバー。ラグビー元日本代表の箕内拓郎氏、小野澤宏時氏、菊谷崇氏だ。
日本代表の合計キャップ数は197。箕内氏は'03年W杯から2大会連続、菊谷氏は'11年W杯で日本代表キャプテンを務めた。小野澤氏はその3大会すべてに出場するなど、日本歴代2位の通算81キャップを重ねた。
いつまでもピークが続くわけではない。
3人のレジェンドは'19年W杯後、アカデミーのある東京や静岡など各地で楕円球を無償提供してきた。地道な活動を続ける理由を菊谷氏が教えてくれた。
「今はラグビーが人気ですが、いつまでもピークが続くわけではありません。そのうち子供達の興味も薄れて、いつかは無くなってしまうかもしれない。でも子供達の日常にラグビーボールがたくさんあれば、いつでも『ラグビー知ってるよ!』と答えてくれるはずです」
「それに地道ですがボールを配っていれば、1人でも『ラグビーやりたい』と思ってくれる子が増えるかもしれない。遊ぶ環境にラグビーボールという選択肢があることが重要だと思っているので、『たくさん汚してね』と伝えています」