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ラグビーW杯の功績を風化させない!
元日本代表が子供達に託したボール。
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byMasataka Tara
posted2020/03/08 20:00
子供達にラグビーボールを配る小野澤宏時(左)と菊谷崇。ラグビーへの熱を絶やさぬよう、「たくさん汚してね」と語りかける姿が印象的だった。
寄付金をプレゼント用のボールに。
この発信に、日本代表の先輩でもあるBUアカデミーの3人も共鳴した。
そしてすぐ行動を起こした。アカデミーへの寄付金を原資としてプレゼント用の特製ボールを作ったのだ。
「昨年、世界的な墨絵アーティストの茂本ヒデキチさんとアカデミーで、コラボグッズを作りました。グッズの収益をアカデミーに寄付して頂いたのですが、その用途を考えていた時、望月がSNSで『ラグビーボール日常化作戦』を発信しているのを見て、これがいい、と」(菊谷氏)
ボールはラグビーショップ『Rugby Online』が「取り分なし」(菊谷氏)で製作。W杯後に約200球ができあがった。
寄付金をアカデミーの資金にする選択肢もあったが、3人はプレゼント用のボール製作を選んだ。その心意気にラグビーを愛する多くの人、会社が賛同した。この作戦のためだけに誕生したボールには、関わった人びとの想いを代弁するかのように『No Rugby No Life』の文字が刻まれている。
楕円球には不思議な力がある。
発案者である東芝の望月氏、そしてBUアカデミーの3人は“フォロワー”を求めている。
もちろん特製ボールである必要はない。不要になった使用済みボールでいい。子供達がボールに触れたら、きっと何かが起こる。楕円球には不思議な力がある。
「子供達の目の前にラグビーボールを転がしたら追いかけます。それが楕円球という形のすごいところ。ラグビーボールがたくさんあれば、面白いことが勝手に起きますよ」(小野澤氏)
子供達の日常に、ラグビーボールを――。