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ローランドが語るフットボール愛。
高校時代の挫折とJリーグへの期待。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph bySuguru Saito
posted2020/06/26 11:30
フットボールへの熱い思いを語ったローランド。「身の丈なんて、知らなくていい」とJリーガーにエールを送った。
「死ぬ間際に思い出すんだろうなと」
――昨年10月には、セレッソ大阪が主催するイベントのゲストとしてヤンマースタジアム長居のピッチを歩かれましたね。
セレッソ大阪には感謝してもしきれません。「言葉にできない」とはとてもありきたりな表現ですけれど、本当に、言葉にできないくらいの感動がありました。入場の際、一歩一歩普通に歩いていたように見えて、「これが夢見ていたピッチか」と、溢れ出る思いを抑えることができなかった。あきらめなければ夢は叶う。少し形が変わったとしてもちゃんと叶うことを自分自身で証明できた瞬間でもあって、またひとつ、自分自身を認められた気がします。
自分にとっては本当に素敵な、きっと死ぬ間際に思い出すんだろうなと思える最高の瞬間でしたね。
――プロになることを本気で目指したからこそ思うこと、感じることがたくさんあった。
普段からJリーグの舞台に立っている選手からすれば、もちろんもともと才能のあるプレーヤーで、「俺だからそこに立っている」と思えるかもしれません。でも、プロになった彼らを頂点とするなら、その下には、僕を含めて本気で目指したけれどプロになれなかったプレーヤーが数え切れないほど存在するわけです。
だから、僕にとってプロのピッチは、いつまでたっても夢の場所であり、本当に夢をつかんだひと握りの人だけが立てるところ。僕にとってJリーグは、永遠の憧れです。キラキラとした夢の空間です。プロ・フットボーラーは夢のような仕事であり、最高の幸せだなと思います。
主役になるために必要なこと。
――2020シーズンのJリーグに期待することを教えてください。
僕は柏レイソルのアカデミー出身なのですが、今はもう、夢を叶えてくれたセレッソ大阪の大ファン。新加入の西川潤選手には期待していますし、昨シーズンの久保建英選手のような活躍を見せてほしいですね。
主役のなり方ですか? 個人的には、主役のなり方よりも脇役のなり方のほうが難しい。主役になる方法を教える代わりに、脇役になる方法を教えてもらいたいですね(笑)。
まあ、それはローランドとしての回答ですけれど、いちファンとして答えるなら、フットボーラーとして知らなくていいことは“身の丈”だと思うんです。サッカー選手としての僕自身がそうだったように、身の丈を知ってしまった時点で限界が決まってしまう。これは特に若手選手に当てはまることかもしれませんが、ミスをしたっていいんです。サッカーは、たった1つの美しいプレーで称賛されるスポーツですから。
だからこそ、身の丈を知らずに突っ走ってほしい。「そんなもの知るか!」という気持ちでプレーし続けることが、主役になる、さらに上に行く、もっともっと輝くための秘訣なんじゃないかなと思います。