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DeNA今永昇太らが米国で得たヒント。
「日本人はもっともっと丁寧に」 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byKyodo News

posted2020/02/16 11:50

DeNA今永昇太らが米国で得たヒント。「日本人はもっともっと丁寧に」<Number Web> photograph by Kyodo News

キャンプでボールを投げ込む今永昇太。悲願の優勝に向けて、新たな境地へ進むエースに注目したい。

今永は、頭の中を整理するために。

 一方、今永に関してはある意味、自分の体の内部で察知していたことの“答え合わせ”としての側面が少なからずあったという。

「かねてから右脚と両膝の使い方があまり上手ではないと自分のなかで感じていたんですが、ドライブラインで評価してもらうと同様のことを指摘されました。ドライブラインは関節の角度をすごく大事にしていて、僕の場合は何となく気づいていたんですが曲がり過ぎていたようです。今回、自分で弱点を見いだせたので、自主トレではそこを強く意識しましたね。結果的にそれは再現性という面でも高まってくると思いますね」

 感覚的なことを数字やデータとして理解することで、頭の中を整理することができる。感覚的なことを言語化できるということは、ピッチングのロジックにこだわりを見せる今永にとってはプラスになる。

 昨年から自身のピッチングについて「骨で投げる」と語っていたが、関節部に重点を置くドライブラインの回答は、今永の想像していたことと合致した。

「自分の言葉にすることが大事」

「感覚というのは日々変わっていくものなので、自分の言葉にすることが大事だと思うんです。自分の言葉で感覚を説明しつづけることができれば、1年間迷うことなく投げることができるはずですから」

 ある意味、昨年はいい感覚の継続や、一昨年の失敗を踏まえ戻る場所だった。原点に立ち返ることができたからこそ今永は13勝を挙げることができた。今季はその感覚をベースに、ドライブラインでの体験や学んできたことを加え、より強固なものにするつもりだ。

 目標はシーズンを通し100%の出力で投げつづけること。今永の活躍がDeNAの明暗を分けるといっても過言ではなく、表情を見るかぎり本人もその自覚を十分にもっている。

【次ページ】 アップ、リカバリーをもっと丁寧に。

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