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生粋のリーダーなのに超野球小僧。
鈴木大地が楽天に与えるプラス要素。

posted2020/02/16 12:00

 
生粋のリーダーなのに超野球小僧。鈴木大地が楽天に与えるプラス要素。<Number Web> photograph by Genki Taguchi

内野なら全ポジションをこなす鈴木大地。2017年には二塁手としてゴールデングラブ賞も獲得した。

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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Genki Taguchi

 キャンプの第2クール初日となった2月6日。楽天の一軍キャンプ地である久米島野球場では、若い声が青空で反響していた。

「30歳以上の選手の声出し禁止」

 午前中のシートノック。このお触れが出ていたことによって、10代、20代の選手たちが声の主導権を握っていたのである。

 今季から楽天でプレーする鈴木大地は、彼らが作る空気に溶け込みながらも「参加したい」といわんばかりに物足りなさを抱いていた。

「僕、30歳じゃないですか。だから、声を出せなかったんですよ。それがちょっとね、残念だったというか。やっぱり、若い選手が出しているなら自分も出したいじゃないですか。でも、すでにそういう気持ちを持てているってことが大事だとも思いましたね」

 腹の底に溜まっていた「声」を、鈴木は全体練習後の特守で目一杯、吐き出した。

 三木肇監督が直々に打つノックをサードとファーストで受ける。セカンドに就く高卒ルーキーの黒川史陽が「大地より声出てないぞ!」と指揮官に煽られるほど、叫び続けた。

ノックしている側が唸る守備。

 特守後の鈴木の表情は、疲労感を出しつつ「声出し禁止」のシートノックでの鬱憤を晴らしたような、清々しさがあった。

「見ての通り、バテました(笑)。ロッテでも、キャンプ中のどこかで特守をやっていたので『脚をしっかり動かそう』とか、いろいろ考えながらやりましたけど、まずは『ルーキーより声を出そう』と」

 マスコミの報道では、黒川とふたりで受けたノックの本数は400本弱だったという。単純計算で鈴木が受けた数は約200本。自らを追い込んだなかでもテーマを持っていたと、コーチ時代にヤクルトの山田哲人らを育て上げた「ノックの名手」三木監督が感心する。

「ノッカーって、打っていると相手が何をしようとしているのかわかるものなんです。大地は、わざとワンテンポ遅らせて捕球をしたりとか、考えているのが伝わりました」

 この特守が物語るように、鈴木は「バッティングも守備も体力面も、いい中身で練習ができている」と充足感をにじませる。

【次ページ】 生粋のリーダーという期待。

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