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2010年代と大リーグの未来。
ハイテク野球の功罪を問う。

posted2020/02/01 11:30

 
2010年代と大リーグの未来。ハイテク野球の功罪を問う。<Number Web> photograph by Getty Images

大谷翔平の同僚でもあるトラウトは、メジャー昇格の11年以降の通算OPSは1.000を記録。 関連コラム)

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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 2020年の大リーグは、「サイン盗みに対する厳罰」で幕を開けた。けっして明るい話題ではない。

 アストロズ('17年のワールドシリーズ覇者)とレッドソックス('18年のワールドシリーズ覇者)の監督が辞め、メッツの新監督も采配を振る前に、事実上の解任処分を受けてしまった。

 コミッショナーのロブ・マンフレッドは、一連の通告によってどのようなメッセージを伝えたかったのだろうか。あるいは、どのような形で、過ぎ去ったばかりの2010年代を総括したかったのだろうか。

 10年おきに区切りをつけなくてはならないという法はないのだが、変化の大きかった時代のことは、やはりよく覚えている。

'90年代にはステロイドが横行。

 たとえば、1960年代にはリーグ拡張(新球団増設)が花盛りだった('61年と'62年に2球団ずつ。'69年に4球団)。'70年代に入ると、人工芝が流行し、ア・リーグでDH制が採用された('73年)。'90年代だと、ステロイドの横行やプレーオフ制度の再編('94年に、地区シリーズが新しく設定された)が頭に浮かぶ。

 では、2010年代にはなにがあったのか。この10年間は、野球史のなかでどう位置づけられるのか。

 ひと目でわかる変化はそう多くない。新しい球場は3つしか誕生しなかった(2010年のミネソタ、'12年のマイアミ、'17年のアトランタ)。ゼロ年代(2000~2009年)に12の球場が新設されたことに比べると、これは明らかに少ない。

 もうひとつ思い出すのは、ポストシーズンのワイルドカードが、2012年から2枚に増やされたことだ。

 それまでのワイルドカードは、地区2位以下の最高勝率チームに限られていたが、2012年以降は、地区2位以下で勝率1位と2位のチームが1本勝負で雌雄を決する仕組みに改められた。勝ったほうが、各リーグの最高勝率チームと地区シリーズで戦うことは、みなさんご承知のとおりだ。

【次ページ】 データ野球が燎原の火のように広がった。

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