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2010年代と大リーグの未来。
ハイテク野球の功罪を問う。 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2020/02/01 11:30

2010年代と大リーグの未来。ハイテク野球の功罪を問う。<Number Web> photograph by Getty Images

大谷翔平の同僚でもあるトラウトは、メジャー昇格の11年以降の通算OPSは1.000を記録。 関連コラム)

観客は退屈して球場から去っていく。

 投手では、マックス・シャーザー(この10年で大リーグ最多の161勝)やヴァーランダー(10年間の投球回数が大リーグ最多の2142イニングス)、さらには奪三振王への道を歩みはじめているコールらの名を挙げておきたい。他の時代の一線級投手と比べても、彼らはけっしてひけをとらない。

 いま挙げた選手たちには、パワーと頭脳の両面が備わっている。

 データとテクノロジーだけでは、野球は面白くならない。

 情報過剰でゲームが重くなれば、観客は退屈して球場から去っていく。GMや監督は、この事実を銘記しておくべきだろう。一度手に入れたハイテクを捨て去ることは不可能だろうが、2010年代は一種の過渡期だった、と振り返ることのできる時代がやってくる可能性はある。

 そういう時代が到来すると、見方もまた変わるにちがいない。

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ロブ・マンフレッド
マイク・トラウト
クリスチャン・イェリッチ
ノーラン・アレナド
コーディ・ベリンジャー
マックス・シャーザー
ゲリット・コール
ジャスティン・バーランダー

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