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司令塔のキャプテン篠山竜青が負傷。
天皇杯制覇へ川崎が問われる真価。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byB.LEAGUE
posted2020/01/08 19:00
6季連続で主将を務める篠山はまさにチームの支柱。12月31日、左肘関節脱臼で全治3カ月程度であることが発表された。
スローガンは「BE READY」。
現在、リーグ全体で2位の勝率を誇る宇都宮ブレックス相手の2連勝から今季をスタートさせた川崎には、明確なコンセプトがある。
スローガンは「BE READY」。
指揮官は、先をみすえて万全の準備をすることを常に求めている。シンプルで明確な言葉に込めた想いを、佐藤はこう語っている。
「誰がスタメンになるかわからないし、誰が控えになるかわからない。それがうちのチームです。そのなかで、いつ、どこで、コートに立っても自分の強みをしっかりと出して、ベースとなるプレーの強度は絶対に落とさず、フルスロットルでプレーする必要があります」
イージーショット、タフショット、フリースロー。
そのための「準備」をするように佐藤は求めてきた。
守備では4つの段階にわけて、自分たちが「準備」した守備の網に相手を追い込むべく、取り組んできた。
攻撃では相手の守備が整っていなければリングに向かってボールをプッシュするように求める。ただ、それ以外の局面では24秒の制限時間をいっぱいに使ってでも、良いシュートを打つことを徹底している。良いシュートを打つための動きを、考えるのではなく、習慣としてこなせるようにするためのメニューにも取り組んできた。
例えば、今季から加わったジョーダン・ヒースは、3P成功率が52.3%でランキングトップに立っている。成功率の高さの要因の1つは、彼が現代バスケットボールに不可欠な「ストレッチ・フォー」と呼ばれる、インサイドでもアウトサイドでも活躍できる資質を備えたパワーフォワードであるから。
ただ、チームとして意図している攻撃とも無縁ではない。
イージーショット、タフショット、フリースロー。自分たちがこれらをできるだけ多く獲得するかわりに、相手にはなるべく与えないように。それが攻守を通じた合言葉である。
明確な指標を掲げて、みんなが同じ方向をむいている。
だから、相手のペースで始まった試合も、ひっくり返すことができた。ここまでリーグ戦で第1Qをビハインドで折り返した試合のうち5試合で、逆転勝利をつかんでいる。