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シュミットが欧州で学ぶGKの極意。
「いかに自分をうまく見せるか」
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byRyohei Hayashi
posted2020/01/06 08:00
川口能活や川島永嗣、権田修一ら海外でプレーしたGKはごくわずか。シュミット・ダニエルも欧州の地で大きく羽ばたいてほしい。
「体を大きく見せるのもうまい」
プレーする環境が違えば、評価される基準も違う。ベルギーの水に慣れ、改めてヨーロッパでGKとしてやっていく上で大事だと感じたのは「いかに自分をうまく見せるかということ」だ。
「ベルギーに関して言えば、結構大雑把な感じがあります。緻密な基礎技術の徹底、というのはあまりされていないイメージがある。ただ、波に乗ったらめちゃくちゃ止めるGKがいっぱいいる。そういうGKは体を大きく見せるのもうまいんです。
あとはみんな自信を持ってプレーしていますね。そういうのを見ていると、いかに自分をうまく見せるかが、こっちにきてすごく大事だなと思いました」
開幕戦こそ出場しなかったが、第2節のクラブ・ブルージュ戦でGKを任された。その試合では6失点を喫してしまったが、次のスタンダール・リエージュ戦でも起用されると今度は勝利に貢献。そこから全試合フル出場を果たし、現在はチームの守護神と言える立場を掴み取っている。
ぬかるむピッチにどう対応するか。
とはいえ、チームは12月23日時点で11位。失点数はワースト3位と、守備面で苦しんでいる現状が見て取れる。日本とは違う環境にフィットしながらプレーするシュミットは、手応えと共に多くの課題を感じている。
「仲間のサポート次第ではあるけど、ビルドアップの部分はよくやれていると思うし、自分の中でも強みと思っている。でも、それが全然ダメな試合もあって、そこの浮き沈みは課題としてあります。
特にこの時期のベルギーは、雨が多くて日照時間も少ない。その影響で最近は天然芝がぬかるんでいて、人工芝が逆にマシだなと思うぐらいなんです。根が生えていない芝にすぐに軸足が滑ったりしてしまうなど、まだそういうところで気を取られてしまうところがある。そこに順応できれば、もうワンランク上に行けるかなと思っています」
新たな土地でプレーすることで新たに出てきた課題。それを昇華することで、さらなるレベルアップを図ろうとしているのだ。