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シュミットが欧州で学ぶGKの極意。
「いかに自分をうまく見せるか」
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byRyohei Hayashi
posted2020/01/06 08:00
川口能活や川島永嗣、権田修一ら海外でプレーしたGKはごくわずか。シュミット・ダニエルも欧州の地で大きく羽ばたいてほしい。
一番近い目標を決めて叶えていく。
成長に至るプロセスは人それぞれだが、シュミットのスタンスとして面白いのは自分の未来を考えながら「一番近い目標を決めて、それを1個ずつ叶えていく」こと。
自分の中で1つずつ目標を作って、それを達成していくことで充実感を得る。「すごく柔軟ではあるんですけど」と本人は笑うが、確かなのは自分の中の芯をしっかりと持っているということだ。
「日頃トレーニングしている時に『自分がこうなりたい』と考えていることが、なんとなく目標になっていたりする。ただ、叶えられなくてもまたすぐに違う目標に切り替えるんです(笑)。やっぱり自分が満足出来るプロセスで目標を達成できればいいと思っている。達成できなさそうだなと思ったら変えて、という感じです」
次の目標としては「CL出場」。
その目標設定で言えば、今のシュミットはどんな状況にいるのか。
「23歳の時に『26歳までに日本代表に入る』という目標を作ったんです。それは叶えられました。じゃあその次に何だ? となった時に、海外移籍だなというのがあった。それも叶えられた。さて次は何だ? となった時に、今のところは(欧州最高峰の舞台である)CLに出ること。それも次のW杯より前にできれば、というふうに思っています」
今までとは違う環境に身を置いて考えることも多くなった。だからこそ、ここからステップアップできるのか、本当に上に行けるのかと考える日もあるという。ただ、それでストレスが溜めてしまうようなら本末転倒である。自分の中で「絶対にこうする」とは決めず、柔軟に考えを変えながら目標に向かっていく。そうやって日々、新たな一歩を踏んでいる。
「ベルギーリーグでどれだけ試合に出られるか。もちろんパフォーマンスが良くないとダメだけど、まず試合に出て、どういうプレーをしているかを見せる必要があると思っています。それを継続させた後に、さらに上のクラブへの移籍があると思います」