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秋山、筒香、菊池の年俸を予想する。
単年契約で力を示す、という手も?
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byNanae Suzuki
posted2019/11/22 11:50
プレミア12では欠場ながらも、チームを支えた秋山翔吾。次はFAの戦いが待っている。
数字さえ残せば年齢は問題にならない。
ナンセンス? いや、そんなことはない。
たとえば、2018年で現役を引退したディナード・スパンという中堅手がいる。盗塁王を獲るほどではなかったが、ナショナルズ時代の2009年や2013年にリーグ最多の三塁打(10と11)、2014年にはリーグ最多安打(184)を記録するなど、左投げ左打ちの「俊足好打」の中堅手だった。
スパンはナショナルズとの契約最終年の2015年、31歳の年にリードオフヒッターとして打率.301、出塁率.365、長打率.431(OPS.796)、5本塁打、11盗塁という好成績を残して31歳にしてFAになった。
そして3年総額3100万ドル(34億1000万円)、年俸では11億円超えの好条件でジャイアンツと契約しているので、秋山が「1歳遅れ」で同様の契約を手にしたって、何ら不思議なことじゃない。
筒香や菊池はポスティングが壁。
一方、来年28歳の筒香や同30歳の菊池にとっては、ポスティングが大きな壁となる。それは彼ら(と代理人)がFAのように球団と対等の立場で交渉できるわけではなく、「この提示内容が気に入らないなら、日本へお帰りください」という球団主導の交渉になってしまうからだ。
思い出すのは、2011年にポスティング制度を使って29歳で「メジャー挑戦」を果たした青木宣親外野手(現ヤクルト)のケースだ。
青木は2011年の11月10日に「メジャー挑戦」を表明し、同年12月18日に250万ドルでブルワーズが交渉権を得たが、年が明けた2012年1月に同球団のキャンプ地でテスト同然の公開練習を行った末に総額225万ドル(2億7500万円)の2年契約を交わさなければならなかった。
おまけに単年150万ドルの球団オプションが付随しており、相場から見ると安価だったために更新されたので、結果的には3年契約だった。