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秋山、筒香、菊池の年俸を予想する。
単年契約で力を示す、という手も? 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2019/11/22 11:50

秋山、筒香、菊池の年俸を予想する。単年契約で力を示す、という手も?<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

プレミア12では欠場ながらも、チームを支えた秋山翔吾。次はFAの戦いが待っている。

秋山と似たケースを探してみると。

 秋山と似たような「俊足好打」タイプで、今季までダイヤモンドバックスで平野佳寿投手の同僚だったジャーロッド・ダイソン中堅手(35歳)の今季年俸350万ドル(1ドル110円換算で3億8500万円、以下同様)ならば、秋山の今季年俸を上回っているので「好条件」と言える。ダイソンは33歳のシーズン終了時に、契約金50万ドルを含む2年総額750万ドルで契約している。

 今オフ、FAになる選手で、ダイソンより高額の契約をしていた中堅手は、25歳の時に5年総額2355万ドル以上の契約をした年俸900万ドル(9億9000万円)のワァン・ラガレス(30歳 メッツ)や、年俸525万ドル(5億7750万円)のビリー・ハミルトン(29歳 ブレーブスほか)などだ。

 それらの選手を除外して、FA市場にいる中堅手の今季年俸を調べると、今季200万ドル(2億2000万円)のジョン・ジェイ(34歳 ホワイトソックス)、中堅手ではないが、巨人入団が決まったヘラルド・パーラ(32歳 ナショナルズ)の同175万ドル(1億9250万円)など、あまり評価が高いとは言えない。

単年契約で実力を示す、という手もある。

 ダイソンにしても、秋山の古巣ライオンズが提示したとされる4年20億円には遠く及ばないので、代理人としては判断が難しいが、それならば、こういうシナリオも用意しておいた方がいいのではないか。

 契約交渉における秋山の最大の武器はFAであることなので、メジャー球団が安価での長期契約を提示した場合は、焦って飛びつくことはない。それでも好条件が提示されないなら、今オフは多くを望まず、単年契約で早期決着をつけるのだ。

 メジャー球団にとっては「日本人野手は通用するのか?」というのが契約の1つの障壁になっているのだから、単年契約で実力を示せば評価はガラリと変わる。

 1年間、しっかりと「メジャーで通用する」ことを証明すれば、来オフに年俸500万ドル(5億5000万円)前後での複数年契約を目指せるわけだ。もちろん、活躍できなければ「メジャー挑戦」がたった1年で終わるデメリットもあるけれど。

【次ページ】 数字さえ残せば年齢は問題にならない。

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