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歴史に名を刻んだインディチャンプ。
春秋制覇で「真のマイル王」が誕生。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2019/11/18 11:40
乗り替わりで大きな仕事を果たした池添謙一。国内のマイル戦を制圧したインディチャンプの目は海外へ向いている。
春夏のマイルGI制覇は名馬の条件。
ラスト200m地点。池添がゴーサインを出すと、インディチャンプは瞬時に反応して加速。凄まじい脚で抜け出し、2着のダノンプレミアムを1馬身半突き放し、先頭でフィニッシュした。
「強かったです。今日はインディチャンプが頑張ってくれた。このメンバーで勝ったことで、真のマイルのチャンピオンになったと思います」
騎乗馬を讃えた池添は、'03、'04年デュランダル、'11年エイシンアポロンに次ぐマイルチャンピオンシップ制覇。単独最多の4勝目となった。
管理する音無調教師は'09年カンパニー、'16年ミッキーアイルに次ぐ3勝目。
生産者のノーザンファームは、昨年のステルヴィオにつづく2年連続5勝目。
このレースの勝ち方を知るチームによる春秋マイル王の誕生劇となった。
これまで、同一年に安田記念とマイルチャンピオンシップを勝ったのは、1985年ニホンピロウイナー、'94年ノースフライト、'98年タイキシャトル、'99年エアジハード、'07年ダイワメジャー、'15年モーリスという競馬史に残る名馬ばかりだ。
安田記念の勝利とは意味が違う。
インディチャンプが安田記念を勝ったときは、アーモンドアイとダノンプレミアムがスタート直後に大きな不利を受け、力を出し切れなかったことがクローズアップされた。が、この馬自身も、勝つべくして勝った力の持ち主であることを、驚異的な瞬発力で証明してみせた。
次走は、12月8日の香港マイルになる模様。'17、'18年の同レースを連覇しているビューティージェネレーションという地元の強豪がいるが、今のインディチャンプなら互角以上に戦えるのではないか。
「真のマイル王」の今後が楽しみだ。