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U-17日本の16強完敗と決勝Tの壁。
実力を出し切れば、と感じるだけに。 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2019/11/09 11:00

U-17日本の16強完敗と決勝Tの壁。実力を出し切れば、と感じるだけに。<Number Web> photograph by Getty Images

ベスト4進出はならなかったU-17日本代表。メキシコ戦の完敗から何を学ぶかが彼らの次の一歩となる。

強豪国がほぼ順当に勝ち上がる中で。

 南米から日本のフットボールを見ていて感じるのは、着実に実力をつけているにもかかわらず、W杯などの肝心な試合でそれを存分に発揮できないことである。

 例えば2002年W杯ラウンド・オブ16のトルコ戦、2010年W杯ラウンド・オブ16のパラグアイ戦、2014年W杯GSのギリシャ戦などがそうだ。実力を出し切れば勝てる可能性があるのに、その力が出しきれない。中南米の非常に貪欲で勝負強い選手たちと比べると、たくましさがまだ物足りなく映る。

 なおラウンド・オブ16のその他の試合では、地元ブラジルが苦しみながらもチリに3-2で逆転勝ちし、フランスがオーストラリアに4-0と圧勝。スペイン、イタリアも順当に勝った。波乱を起こしたのはパラグアイで、南米王者アルゼンチンに0-2から大逆転勝ちした。

 アジア勢では、韓国が苦しみながらもベスト8入り。昨年のU-16アジア選手権の決勝で日本に0-1と惜敗したタジキスタンはGSでスペイン、アルゼンチンに完敗し、GSを3位で勝ち上がったオーストラリアも前述通りフランスに大敗を喫した。アジアの国と世界の強豪国との差はまだまだ大きいと言える。

最高峰を意識していく段階では。

 ブラジルなどは、どのカテゴリーでも「南米予選を勝ち上がりさえすればいい」とは考えず、常に首位突破を目指す。ギリギリで突破しようものなら、「恥をかくだけだから、出場を辞退しろ」とまで痛罵される。

 日本も、W杯で世界のベスト8以上を本気で狙うのであれば、アジアでは圧倒的な強さを発揮することをノルマとし、常に世界最高峰を意識して強化に励む段階に入っていると感じる。

 それはメキシコが北中米のレベルに甘んじることなく、20年以上前から代表でもクラブでも南米諸国との対戦を繰り返し、世界の強豪国の仲間入りを目指してきたように、である。

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