話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
攻撃的DF・進藤亮佑、代表初招集。
「名前で守れるぐらいの存在感を」
posted2019/11/13 11:15
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE
北海道コンサドーレ札幌の進藤亮佑のプレーを見ていると、日本代表の森保一監督の好みに合う選手だなと改めて思った。
代表ウィークに入る前の横浜F・マリノス戦は、ともに攻撃的なチームが打ち合う激しいゲームになった。札幌は4バック、進藤はセンターバックではなく、右サイドバックでプレーした。
GKのミスなどから開始4分間で2失点を喫したが、その4分後に1点を返して悪い流れを食い止めた。進藤は、前半こそ個人技とスピードのあるマテウス、ティーラトンらの対応に追われていたが、後半、3バックにシステムを戻してからは、水を得た魚のように攻守にアグレッシブになった。
札幌の攻撃は、前線にボールが入るとダイレクトで繋いで崩していくのがひとつの特徴だ。
選手がオートマテイックに動く。
例えば左サイドでチャナティップがボールを保持すれば、右ウイングバックが中に絞り、進藤はその外を回ってフリーの状態でポジションを取る。前にボールが運ばれていくと、進藤もポジションを上げ、ボックス内への侵入を試みる。逆サイドから進藤らにボールが送られ、シュートチャンスを得る。この動きには無駄がなく、非常に洗練されている。
マリノス戦は試合こそ「自滅」で敗れたが、後半の攻撃の際は選手がオートマテイックに動き、再三チャンスを作っていた。
攻撃時における進藤の貢献度は高い。
今季、30試合で6得点を挙げ、チーム内の得点ランクは4位だが、チャナティップ(4点)よりも多い。ヘディングでは4得点でリーグ2位、「点の取れるDF」として強みを見せている。セットプレーでの福森晃斗のキックと進藤のヘディングはチームの得点源のひとつだ。