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クラブ史上最高からの転落劇……。
トッテナムに必要なのは断捨離だ。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto Press
posted2019/10/16 19:00
2018-19シーズンCL準優勝のトッテナム。本当に優勝を狙えるクラブになるための転換期に来ている。
不振の原因はチーム内の不協和音。
しかし選手だけでなく、リービー会長もポチェッティーノに全幅の信頼を寄せている。監督就任後、初年度こそチャンピオンズリーグ出場権を獲得できなかったものの、その後4シーズンはトップ4を維持してきた。
組織の完成度や選手層ではシティとリバプールに及ばないとはいえ、第2集団トップは間違いなくトッテナムで、そのチームを創ったのは紛れもなくポチェッティーノであると、リービー会長は信じている。
今シーズンの不振の原因は、出ていくはずだった者がチームに残ったゆえの不協和音だ。ポチェッティーノに全責任を負わせるのはアンフェアだろう。リービー会長も、ポチェッティーノをしのぐ指揮官が簡単には見つからないと考え、少なくともあと2年は現体制を維持する腹づもりだという。
通常、4~5年が1つのサイクルと言われているが、第1章を描いたポチェッティーノを解雇し、次の人間に新章を託すのは好ましくない。早急に着手すべきは監督交代ではなく、ネクストページに向けた断捨離である。
移籍金が発生する1月の市場で……。
エリクセン、ローズ、アルデルバイレルトの3名は、移籍金が発生する来年1月に放出すべきだ。フリートランスファーはいろいろな意味でマイナスだ。一方で次のフェーズに関わるはずがなかった男たちの残留は時代を引き戻すことになる。この夏、ポチェッティーノはトッテナムに情熱をなくした選手を捨て、異なる陣容でリ・スタートを図ろうとしていた。
1年前、1人も補強できなかったがチャンピオンズリーグ決勝に進出した。今シーズンも市場ではうまく立ちまわれなかったが、まだ序盤戦にすぎない。
トッテナムは足もとを見つめ直し、監督、コーチ、スタッフ、選手全員が何をすべきか、最善策は何かを考える必要がある。ブライトンに敗れた後、インターナショナル・ウィークに入った。
視点を変えるには、またとないチャンスである。