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王者マンC、序盤戦でまさかの2敗。
グアルディオラはどう腕を見せる?

posted2019/10/17 19:00

 
王者マンC、序盤戦でまさかの2敗。グアルディオラはどう腕を見せる?<Number Web> photograph by Uniphoto Press

1敗するだけで騒がれるようになったマンチェスター・シティ。それはメガクラブに成り上がった証拠なのかもしれない。

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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 10月の代表ウィーク前にプレミアリーグで最大の話題となったのは、マンチェスター・シティの敗戦だった。

 5日と6日に行われた今季8節では、トッテナムとマンチェスター・ユナイテッドが、それぞれブライトンとニューカッスルに敗戦していた。しかし、リバプールと「2強」を成すマンCが、ホームでウルブズに敗れた(0-2)衝撃は大きかった。

 ボール支配、ひいては試合自体の支配を身上とするペップ・グアルディオラが指揮するマンCは、昨年12月後半からエティハド・スタジアムで負け知らずだった。ホームでの完封負けは、昨年5月以来。加えて今回はアウェイでの第5節ノリッチ戦(2-3)に続き、早くも今季2敗目を喫したことになる。

 開幕8連勝で首位に立つリバプールとの勝ち点差は8ポイントに拡大した。「10月でも、ポイントを落とせば優勝の行方が騒がれる」とは、ユルゲン・クロップ監督の発言だが、ライバルの指揮官が半ば呆れ気味に指摘した通り、メディアは「2位マンCが'92年からのプレミア史上最大となる差をつけられた」と騒いだ。

 それらの報道は、「グアルディオラ軍のアキレス腱、見つけたり」といった調子。より具体的に言えば、ニコラス・オタメンディという弱点が露呈されたことになる。

センターバックに負傷者続出。

 マンCの最終ラインはアイメリック・ラポルテを、8月末に膝の怪我で失った。選手兼監督として祖国ベルギーのアンデルレヒトへ去ったバンサン・コンパニに代わる存在の復帰は、早くても来年2月という重傷だ。

 オタメンディとジョン・ストーンズのコンビは、ノリッチ戦の時点で解説者のガリー・ネビルに「このコンビが続くなら優勝はあり得ない」と酷評されたほどである。

 その直後にストーンズも大腿の怪我で離脱。急造CBとなったMFフェルナンジーニョが「現マンCのベストDF」と讃えられる一方で、残されたオタメンディはジェイミー・キャラガーに「簡単に身を投げ、アッサリかわされる癖は直らない」と見捨てられる有様である。

 ウルブズ戦、ラウール・ヒメネスの足下にひれ伏すかのような格好で先制点を奪われた場面を目の当たりにすれば、元リバプールDFのオタメンディ評に異論を唱えることも難しい。

【次ページ】 攻めて攻めまくるスタイルは不変。

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