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苦しみながらも歩む“エース道”。
今永昇太「100%がどれだけ続くか」 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byKYODO

posted2019/10/13 19:00

苦しみながらも歩む“エース道”。今永昇太「100%がどれだけ続くか」<Number Web> photograph by KYODO

2位で臨んだCSファーストステージでDeNAは今永をリリーフ起用したが、阪神に敗れファイナルステージ進出はならず。

「もともと修正能力の高い選手」

 エースにならんとするピッチャーを支えるキャッチャーもまた成長しなければならない。今永はそういった影響力を持つ存在になりつつある。

「もともと修正能力の高い選手なんですけど、昨年はそれが上手くいかなかった。その点から今年とくに感じたのは気持ちの切り替えの部分ですよね。例えば打ち込まれたとしても、翌日はプラスの言葉が次から次に出てくる。あ、こいつ切り替えが上手くなったな、と」

 学生時代から今永と接してきた戸柱の目線だけにその信憑性は高い。メンタル面の向上の要因について今永は次のように語る。

「これだと思える技術が身に付いたのが一番だと思います。打たれようが点を取られようが“俺にはこれがあるから”という自信が気持ちや言動として表れていたんだと思いますね」

 やはり自分の技術や力量に確信を持ったからこそのものであり、肉体(スキル)とメンタルの関係は密接だ。

「化けの皮が剥がれる」

 ただシーズン終盤、その感覚が揺らぐことがあった。それまで今永は調子がいまいちであっても微調整さえすればいいときの感覚を取り戻せる自信があったが、9月に入ってから上手くいかないことが多くなったという。

 今永はそれを「化けの皮が剥がれる」という言葉で表現した。

「よかった部分がポロポロ剥がれていくというか、いいときの感覚を守り切ることができず、戻ってこなかったんです……」

 シーズン最終戦となった9月28日の阪神戦で今永は「これといって修正点が見つかっていない。このまま1週間後のCSを戦うのは不安な部分もあるので、これまでの引き出しを探っていきたい」と語っていた。今季、初めて見せた不安な表情だった。

【次ページ】 中継ぎで登板して得たもの。

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