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2009年ドラフトの今を検証<日本ハム編>。
昔も今も変わらぬ「攻める」精神。

posted2019/10/13 18:00

 
2009年ドラフトの今を検証<日本ハム編>。昔も今も変わらぬ「攻める」精神。<Number Web> photograph by Kyodo News

2010年プロ初完投を完封で果たし、栗山監督に迎えらる中村勝。'14年にはキャリアハイの8勝を挙げたが、このオフ戦力外を通告された。

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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Kyodo News

 いよいよ今年も「プロ野球ドラフト会議」の季節がやってきました。NumberWebでは、昨年も好評だった全12球団の10年前のドラフトを振り返って現在の戦力を検証する短期集中連載を企画しました。ジャーナリスト・小関順二氏による分析のもと、ドラフトの歴史を振り返ってみましょう。

 第10回は北海道日本ハムファイターズです!

<2009年ドラフト>
1位 中村勝/投手/春日部共栄高
2位 大塚豊/投手/創価大
3位 加藤政義/内野手/九州国際大
4位 運天ジョン・クレイトン/投手/浦添工高
5位 増井浩俊/投手/東芝
6位 荒張裕司/捕手/四国九州アイランドL・徳島

 “ドラフト巧者”と言われる今の日本ハムが凄さを発揮したのは2003年からである。自由枠で糸井嘉男を獲得し、3年目の'06年に早々と外野に転向させ、ここまで通算1624安打を放つほどの選手に導いている(その後、オリックス、阪神へ)。

 '04年は1巡でダルビッシュ有を単独指名、'05~'07年の分離ドラフトでは'05年が高校生ドラフト1巡で陽仲壽(岱鋼)、大学生&社会人ドラフト4巡で武田勝、'06年が高校生ドラフト1巡で吉川光夫、'07年が高校生ドラフト1巡で中田翔、大学生&社会人ドラフト3巡で宮西尚生など、その後の主力級に成長する選手を獲り続けた。前年の'08年も1位大野奨太、5位中島卓也……など、好選手を指名している。

一番評価の高い選手を指名する。

 この'09年は、と言うと、1位で菊池雄星を入札。4球団と競合の末、外れ1位で中村勝を獲得した。日本ハムの1位(巡)指名は今も昔も戦いの連続である。'05年陽はソフトバンクと競合、'06年は田中将大(楽天)を4球団と競合、'07年は中田を4球団と競合。結果的に田中以外の2選手をくじを引き当てた。

 その年の一番評価の高い選手に向かっていくという現在の基本精神がこの'09年ですでに発揮されているのがわかる。

 2位以下では指名した選手の所属が創価大、九州国際大、浦添工、東芝、四国九州アイランドリーグと多彩である。前年も関西国際大、三菱ふそう川崎、横浜高、福岡工高、帝京高、バイタルネットと多士済々。地方の大学、有名・無名の高校生と社会人、さらに独立リーグなどいろいろなところに網を張り、本当の実力を見定めようとしているかのようである。

【次ページ】 外れ1位の中村は戦力外に。

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