中継ぎで登板して得たもの。

　阪神とのCSで今永は中継ぎとして登板をするが、1戦目を2イニング無失点、2戦目を1イニング1失点で終えている。やり慣れていないリリーフでの起用ということもあり、数字的には評価しづらい部分もあるが、当の今永はこの登板は来季へとつながるピッチングであり、非常に大きな意味があったと語る。

「修正点のポイントはグローブの位置で、自分のなかでは上手くいったと思います。僕はピッチングをしていく上で100％がどれぐらい続くかを常に目指しています。それが9回までいけばいい試合になるでしょうし、一方で短いイニングであってもそれは変わることはない。

　今回のCSでは、最近あまり得ることのできなかった100％の感覚をつかみながら投げ込むことができたんです。自分の状態をどこまでもっていけばいいのか。いろいろな目安を感じられたシーズンでしたし、今季得たものを今後も活かしていきたいと思います」

コンスタントに勝ちつづけてこそエース。

　タイトル争いにもからみ、大きなインパクトを残したシーズンは終わった。しかし、大事なのは来年以降である。今永は常々言っている。3年から5年コンスタントに勝ちつづけてこそエースだと。

　前出の木塚コーチは、そんな今永に期待を寄せる。

「好調に見えたとしても、勝っていたなりに苦しみを味わったシーズンだと思います。そういう意味では一皮剥けたし、またひとつ大人になれたんじゃないですかね。

　けど大事なのは、これから先。常に変化しながら、ベストなものは何なのか探求し、追い求めるのが現役選手というものです。彼が歩むべき“エース道”は、これからですよ」