オリンピックへの道BACK NUMBER
高橋大輔のスケーターとしての核。
「生涯、滑っていたいですよね」
posted2019/10/07 08:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Kyodo News
その知らせは、瞬く間に広がった。今なお、余韻は広がりとともに残る。
高橋大輔は、村元哉中をパートナーに、アイスダンスに転向することを発表した。
シングルの世界で、長年にわたる活躍を経ての決断が、大きなインパクトをもたらすのは当然だった。
きっかけは、村元からの働きかけだった。
「高橋選手がアイスダンスに興味があるということを聞いていて、直接聞いてみようと思い、今年の1月に連絡をとりました」
そこに至る背景があった。
昨年8月、村元は平昌五輪に出場したクリス・リードとのカップルを解消した。
もっとうまい人と組んだほうが……。
同じ月、高橋は、濱田美栄コーチから言葉をかけられた。
「大ちゃん、ダンスやったら?」
そのときは、「まったくやるなんて思いませんでした」。
1月にオファーがあったときも、「もっとうまい人と組んだほうがすばらしいカップルになる」と思い、ためらいがあった。
その後、何度か話し合いの機会を持ったあとの7月、村元も出演するフィギュアスケートと舞台の融合した公演『氷艶』の稽古合宿のため訪れていた新潟で、トライアウトを実施。
「一緒に滑らせてもらったとき、もっとこの世界を知ってみたいという気持ちが強くなりました」
と、決断に至った。