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高橋大輔のスケーターとしての核。
「生涯、滑っていたいですよね」 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byKyodo News

posted2019/10/07 08:00

高橋大輔のスケーターとしての核。「生涯、滑っていたいですよね」<Number Web> photograph by Kyodo News

現役復帰後もアイスショーなど幅広く活躍していた高橋。来年からはアイスダンスに軸足を置く。

「すごく素敵な表現をする選手」

「引退したらアイスダンスをやってみたい」というほど、高橋がアイスダンスが好きだという下地もあったが、それだけではなかった。

 高橋は村元に対する強い印象があった。

「すごく素敵な表現をする選手だなと思っていました。アイスダンスに転向してからは、表現という部分で開花したように感じます。自分を解放して楽しそうに滑っている姿を見て、体の使い方も上手だなと思ったし、アイスダンスを始めてから一層、素敵だなと感じていました」

 村元は、高橋にオファーした理由の中でこう語った。

「本当に昔から憧れのスケーターなんです。特に大ちゃんの音楽の捉え方や動作には、誰にもない個性があって。滑り方、表現の仕方がすごく好きで、そういった部分も含めて、大ちゃんの世界をダンスで体験してみたいと思ったからこそ、一緒に滑りたいと思いました」

互いのスケートへの敬意。

 互いのスケートへの敬意が、決め手でもあった。

 アイスダンスへの転向は、シングルでのキャリアを終えるという決断でもある。

 だからこそ、その決断は反響を起こし、広がっていった。

「(シングルを)やりきったというのはないですね」

 高橋は言う。

 それでも、高橋はアイスダンス転向を選んだ。理由は、端的に、次の高橋の言葉に集約される。

「できるだけ長くスケートで表現したい」

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