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右代啓祐が世界陸上に復活出場。
日本陸連も世界陸連もグダグダ?
posted2019/09/25 11:30
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph by
及川彩子
今週金曜日にドーハ世界陸上が開幕する。当初、エントリーの承認がされなかった10種競技の右代啓祐選手も招待枠での出場が決まった。
日本陸連の選考要項に不備があったために、出場できない事態に陥った右代選手。彼のツイートで一連のことを知り、心を痛めた人たちも多かったのではないだろうか。また一度、不承認になったのに、なぜ右代選手の出場が認められたのか疑問に思った人もいると思う。
なぜ、このような問題が起きたのか。
選考要項に不備があった日本陸連を責める声もある。確かにその意見はまちがってはいないが、最終決定の権限を持つ国際陸連の選考要項、選考そのものに問題はなかったのだろうか。
日本では比較的混乱は小さかったが。
「いやいや、いまさら招待されても。世界陸上に出られないと思っていたから、もうシーズンオフで、アメフト見ながらビール飲んでピザ食べてるから、今からドーハになんてムリ」
世界陸上まで1週間に迫った先週末、ある外国人選手がこんなツイートをした。
ドーハ世界陸上のエントリー締め切りは9月6日。国際陸連は標準記録に達した選手が出場人数枠に達しなかった場合、人数調整のためにインビテーション(招待)制度をとっており、招待枠に入った選手には締め切りから24時間以内に連絡が来ることになっていた。
数日待って連絡がこなかった選手はシーズンオフに入り、思い思いの時間を過ごしていた。しかし、国際陸連は大会を1週間後に控えた9月19日に130選手に『遅ればせながらの招待状』を送付。日本からは右代選手を含む5選手がその招待枠に入った。
日本選手はまだ陸上シーズンの最中で、大学、実業団、また国体などの試合が残っていたため、しっかりと練習している選手が多かった。そのため直前での出場にもさほど動揺はなかったように思う。
しかし海外選手の多くは9月7日以降にシーズンオフに入っており、そのため出場したくても出場できる状態ではない選手も多数いた。