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混戦のパに「最強の最下位」誕生か。
交流戦、CSがある限り勝率は上がる?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2019/09/14 11:40
9月11日のロッテ戦に敗れ、9連敗となったオリックス。悪い流れを止めて、リーグを盛り上げることができるか。
交流戦とCSが最強の最下位を生む?
今年のパ・リーグは9月12日時点で、オリックスが勝率.447(首位とのゲーム差14.0)で最下位、日本ハムが.472(11.0差)で5位。あと十数試合残っている。両チームとも「台風の目」になり、上位を苦しめることで、勝率が上がってランクインする可能性が大いにある。
「高勝率の最下位チーム」は、今後も増える可能性が高い。
1つには「交流戦」の存在がある。交流戦で大きく勝ち越したリーグは、トータルの勝敗が.500から跳ね上がる。
今季で言えばパが58勝46敗(4分)と勝ち越したために、パのトータルの勝敗は9月12日時点で388勝376敗(24分)、勝率.508。6球団の内、日ハムとオリックスを除く4球団が5割以上だ。
理論的に言えば、交流戦で大きく勝ち越したリーグは、「勝率5割以上の最下位」の可能性もあるのだ。
もう1つは、クライマックスシリーズの存在。優勝がダメでも、CS進出の可能性がある限り、下位チームは頑張る。モチベーションが上がるのだ。
上記10傑の内、交流戦が始まった2005年以降のパ・リーグのチームが4つ含まれているのは、そういう背景がある。
下位チームが強いシーズンは、リーグが混戦気味で、ペナントレースが面白い事が多い。今季のパの下位2チームは、切磋琢磨して勝率を上げてほしいものだ。