猛牛のささやきBACK NUMBER
「右打席と左打席で人格を変える」
俊足・佐野皓大は打撃でも魅せる。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2019/08/11 11:30
投手から野手に転向し、昨季、右打ちからスイッチヒッターに。
西村監督がつきっきりで指導。
現役時代にスイッチヒッターとして首位打者と盗塁王を獲得した西村徳文監督も、時にはつきっきりで打撃指導をするなど、野手に転向して2年足らずの佐野を、なんとかものにしようという熱意が見える。
佐野は、右打席と左打席で「人格を変えるようにしています」と話していた。
「全然タイプが違うんで、そこは区別していますね。右打席の時は、とりあえず前で捉えて、ストレートにタイミング負けしないようにしている。左打席では、引きつけて、ファールにしたり粘って、レフト、センター方向に打てたらベストかなと思っています。
右の時は、三振をしてもいいけど、1試合に1本は何かしらの結果は出さないといけない。左の時は、内野ゴロを転がせば、ヒットじゃなくても相手にプレッシャーを与えられる。左で一番思うのは、三振したらいけないということ」
右打席でプロ初本塁打を放った。
右打席では結果が出ており、7月6日の福岡ソフトバンク戦ではプロ初本塁打を放った。
「ずっとホームランを打ちたかったので、それが出たのはよかった。思い切り振っていなかったのにあそこまで飛んだ。ずっと力でいきすぎていたけど、考え方を変えなきゃいけないかなと思いました」と試合後、語っていた。
以降は力まずコンパクトに、右方向を意識するようになったと言う。
「無理に振りにいきすぎていたんですけど、そんなに焦って強く振らなくても、相手の球の速さを利用して、しっかり芯に当てればあれだけ飛ぶとわかった。だからコンパクトにミートしにいくという意識で、ちょっと余裕を持って打席に立てるようになりました。
今はセカンドゴロを打つイメージで打っています。田口さん(壮・野手総合兼打撃コーチ)にアドバイスされたんですけど、セカンドゴロを打つ感じで打てば、ライトにいい打球が打てたので、継続しています」