月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
報道が過熱する「佐々木朗希」問題。
各スポーツ紙はどこに注目したのか。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byKyodo News
posted2019/07/30 07:00
花巻東との決勝で敗戦後、報道陣に対応する佐々木朗希。岩手県大会では4回戦・盛岡第四戦での194球を含め、計435球を投じた。
高校野球ファンとプロ野球ファンのエゴ。
これらも読んだうえで思った。
「球界の将来の宝だから扱いは慎重にせよ」という意見は一見すると正しい。しかし「高校野球では無理しなくていいから無事にプロに進んでほしい」となるとプロ野球ファンやスカウトのエゴとも思える。これは「プロ野球も大事だが目の前の決勝戦で投げてほしい」という岩手大会決勝の一部観客の思いと表裏一体にみえる。
どちらのエゴも、大船渡・国保監督を苦しめたに違いない。
課題はむしろここからだ。佐々木のように特別の存在ではない“普通の高校生”も今後このような扱いをされるのか。今回のような選択肢は増えるのか。国保監督と高校野球大物監督のコメントにはまだまだ温度差がある。
国保監督が変人で終わってしまうのか。「過密日程の緩和」案も含め、高校野球界の意識の変化にも注目したい。