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阪神の先発陣に“白星”がつかない。
藪恵壹が考える不振脱却のポイント。
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph byKyodo News
posted2019/07/26 11:40
24日、二軍で初実戦に臨んだソラーテ。両打ちで内外野をこなせる器用さに加え、昨季まで5年連続2桁本塁打の打棒に期待がかかる。
福留の穴を埋める存在は?
最大の課題は「決定力」です。4番には大山悠輔を据えるとしても、その後ろを打つ人が固まっていません。福留孝介が負傷で離脱したあと、本来なら高山俊や陽川尚将といった若手がその穴を埋めてほしいところだったのですが、うまくいかず、結局復帰を急がせてしまった福留がふくらはぎの張りを訴え、再度離脱する流れを招いてしまいました。
そこで期待されるのが、マーリンズ傘下3Aから加入した新外国人のヤンハービス・ソラーテでしょう。メジャー通算75本塁打と実績もあります。
ただ、日本へ来て、実際に試合をやってみないと計算できないというのが外国人選手ですし、すぐに結果が出るとも限りません。タイガースは外国人野手の補強が上手ではありませんから、このままやっていて上手くいくともあまり思えません。もっと視野を広げて、たとえば海外の独立リーグから選手を獲得することなども考えていかなくてはならないと思います。
上位進出、来季へつながる一貫性を。
今シーズンのタイガースは、前任の金本監督から矢野監督への突然のバトンタッチから始まりました。しかしその経緯には、球団側の一貫性というものはあまり感じられませんでした。
若手の育成にしても、外国人野手にしても、何を待って、何を変えていくのか。
軸となる方針を球団としてしっかり固めることが、今シーズンの上位進出、ひいては来シーズン以降の躍進に向けて、必要になってくると思います。