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阪神の先発陣に“白星”がつかない。
藪恵壹が考える不振脱却のポイント。
posted2019/07/26 11:40
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph by
Kyodo News
オールスターゲームが終わり、いよいよシーズンも山場に入ろうとしています。オールスター前、最後のカードをセ・リーグ2位で迎えていた阪神タイガースは、首位・巨人との3連戦で痛恨の3連敗を喫してしまいました。
巨人には開幕ゲームから6連敗、その後は4連勝と粘りを見せていましたが、これでまた差が開いてしまいました。このダメージは痛いなんてものではありませんし、そのあとも悪い流れを引きずってしまっているように見えます。
それでも、2位から5位の4チームはまだまだ混戦状態です。そこで、今シーズンこれまでのタイガースの戦いぶりを総括しながら、上位進出、Aクラス入りを確実にしていくための課題を見ていきましょう。
先発投手に勝ち星がつかない。
まずは投手陣から。タイガースのピッチャーは先発、リリーフともに安定していることに間違いはありません。
長年、大黒柱としてチームを引っ張ってきたランディ・メッセンジャーは調子が上がらず、10日の巨人戦をもって二軍へ降格となりました。しかし、メッセンジャーに全盛期のようなピッチングが難しくなってきているのは3年ほど前から分かっていたことですし、イメージはできていたでしょう。代役として17日に登板した望月惇志をはじめ、楽しみな若手も多いですから、悲観することはないと思います。
良くないのは、先発投手に勝ちがつかないことですね。勝った試合も、粘り強く投げていた先発が降板した後半に決勝点が入るという形が多いことが気になります。
開幕で先発ローテーションを担っていた、岩貞、ガルシア、浜地、メッセンジャー、西、青柳の投手6人のうち、現在ローテーションを守っているのが3人だけなのも、やはり勝ち星がつかないというところは大きいはずです。