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ジーコとブッフバルトの久保建英評。
「日本のメッシと呼んではいけない」
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/07/10 11:30
久保建英について熱く語った(左から)ジーコ氏とブッフバルト氏。
ブッフバルトが評価する能力は?
「久保選手のタレントというのは、口を挟む必要がないほど素晴らしいものを持っている。例えばドリブルは他の選手が持っていない武器だと思いますし、サッカーインテリジェンスも優れている。
ボールを持ったときには、どの位置に置けば奪われないかをわかっていますし、ボールを受けるときには、どこのスペースに動けばいいかという感覚を備えている。すべてを理解している選手ですね」(ブッフバルト)
ブラジルの“神様”から見ても、ドイツの“城壁”から見ても、久保の技術・センスに疑いの余地はない。ただし、18歳でFC東京からスペインのレアル・マドリーへ移った決断については、2人とも表情を曇らせる。
マドリー移籍はあまり賛成しない。
ブッフバルトが心配するのが、試合勘についてだ。
「個人的には、レアル・マドリーを選んだことにはあまり賛成していません。なぜなら選手にとって、最も大事なのは試合に出ることだからです。1年目はスペイン3部リーグでプレーするようですが、レアルのトップチームともなれば、コンスタントに試合に出ることは、なかなか難しい。
特に若い選手が移籍先を選ぶ際は、試合に出られるクラブを選ぶことが重要です。毎週、異なる環境で、異なる相手との試合を経験することで、練習とは比較にならないほど多くのものを学ぶことができるからです。
例えば久保選手がどうしてもスペインでプレーしたいのならば、バレンシアやセビージャ(のような中堅クラブ)への移籍という選択肢もあったのではないでしょうか」
久保に限らず、20歳前後でヨーロッパへ移籍する日本人選手が、ここ1、2年で急速に増えている。ジーコは近年のブラジルを例に、代表チームへの影響を指摘する。