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長友佑都のファットアダプト食事法。
「脂をエネルギーに変えてます」
text by
NumberDo編集部Number Do
photograph byShinji Minegishi
posted2019/06/21 12:00
トルコ・イスタンブールの自宅リビングで肉・魚・野菜をたっぷりと食べる長友佑都。
医学的エビデンスと長友自身の感覚の融合。
具体的にいえば、3大栄養素である糖質とタンパク質と脂質のバランスを3:3:4に保つことを心がけている。
まず、タンパク質は1食平均60g程度で3食で180gくらい。脂質はタンパク質よりも多く摂るため、200g前後を目標にしている。そして、糖質は一般的には1食20~40g、1日で120g程度が適切だと言われているが、長友のようなトップアスリートの場合は、食後血糖値が上がらない範囲の1食60gを摂るようにしているという。
「加藤シェフが僕の食事を作ってくれて、山田先生とコミュニケーションをとりながら、自分の身体の状態を知ることの重要性に思い至りました。血糖値検査や食べ物のアレルギー検査を行なうことで、自分自身がどんな体質なのかを知る。ファットアダプト食事法にいきついて、山田先生が提案する理論や医学的なエビデンスと、僕自身の感覚がきちっとはまり、自分の目標や目的に対して、解が見つかったような気がしています」
「今日の4品」に込められた想い。
加藤シェフが、ある日に提供した4品のメニューを解説してもらうことにした。
まずは1品目。野菜たっぷりのミネストローネ。スープは長友の大好物であると同時に、大事な試合の前の緊張を解きほぐしてくれたり、試合に負けて気分が落ち込んでいる時などに心を癒してくれるメニューだという。シェフの観点からすると、温かいものを最初に体に入れることで“体のストレッチ”となり、消化器官にこれから料理が入りますよというサインになる。
2品目はスズキのカルパッチョ。白身のタンパク質には、瞬発系を司る速筋を増やす効果がある。トルコでは目の前が港で、白身のほかにも新鮮な青魚がとれて、重宝しているそうだ。
3品目は豚肉のグリルサラダ。タンパク質の食材は基本、酸性食品が多い。体は中性を保つようにできているため、アルカリ性である生野菜やアボカドを適量とることで、酸性とアルカリ性のバランスを心がけているとのこと。
ラストは、サーモンをのせたリゾット。鰹だしで和風に仕上げ、塩分は控えめに。カーボラストで血糖値の上昇をおさえつつ、オリーブオイルとたっぷり120gのサーモンで良質の脂とタンパク質も摂れるところがポイント。
体に優しく、美味しい食事――。
こんなメニューであれば、毎日の食卓も楽しいに違いない。
最後に、長友佑都にとって「美食」とは何かを聞いた。
「心も体も癒されること。大前提に美味しいがあり、さらに『信頼・安心・パフォーマンスアップ』が僕にとっての体にも優しい食事です!」