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ACL日本勢対決は鹿島が先勝。
8番土居聖真に見えた“強引さ”。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byEtsuo Hara/Getty Images
posted2019/06/19 12:00
ACL決勝トーナメント1回戦、広島とのファーストレグでセルジーニョのゴールをアシストした土居聖真。
“鹿島に土居聖真あり”というプレーを。
すでに今季は15節が終了したJリーグで3位につける鹿島。その得点数も横浜FM(26ゴール)に続き、2位の24ゴールをマークしている。昨季の同時期は12ゴールだったことを考えると倍増だ。
しかも、伊藤翔、レオ・シルバの4得点に続き、土居、セルジーニョ、安西幸輝、白崎凌兵が3得点と、得点者が分散しているのも特長かもしれない。その陰に土居聖真ありと言われるためには、勝利に直結する仕事を継続できるかが鍵となる。背番号8が担う重責を果たせるか? それが土居の次なる挑戦となるだろう。
「僕がその過程にいたから、ゴールが生まれたと思ってもらえるように努力したい。その状況に応じて、プレーの選択肢を増やし、判断力の質を高めてやれているという充実感が今はあります。失敗しても獲られても、次、もう一度違う形で挑んでみようと思えるから」
リードはわずか1点。
その差はわずか1点。手の内を理解し合うJリーグ対決ということで、普段のACLのような熱が薄かったファーストレグ。終わってみれば、鹿島の「試合運びの巧さ」が際立った結果だったが、広島のシュートの精度が高ければ、失点した可能性もなくはなかった。
終盤にはクリアボールをことごとく相手に拾われ、苦しみながら逃げ切ったという印象は残る。自身のスタイルであるパスサッカーをやり通した広島も「あとわずか」という手ごたえはつかんだかもしれない。
“1点”の差が勝敗を分ける。その厳しさを味わい続けた鹿島がディフェンディングチャンピオンとしての強さを見せるのか? 拮抗した状況で突破を賭けるセカンドレグは白熱した戦いになることを期待したい。