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予算増額、観客数も昨季超え。
J2山形が夢見る昇格と新スタ建設。
posted2019/06/18 07:30
text by
川端康生Yasuo Kawabata
photograph by
J.LEAGUE
ともに勝ち点「33」で迎えたJ2首位攻防戦、モンテディオ山形vs.水戸ホーリーホック。
制したのは山形だった。66分、阪野豊史が値千金のゴール。この1点で競り勝った山形が、この試合を迎える時点では得失点差で上回られていた水戸をかわして、首位に立った。
序盤から優勢に試合を進めたのは水戸だった。
黒川淳史、村田航一の2トップがいいタイミングで顔を出し、そこにいいタイミングでパスが入る。パスを出した選手もフリーランニングでそのまま前進。そして、ワンタッチやフリックなどを巧みに使いながらペナルティエリアに侵入し、再三シュートチャンスを作った。
さらに目を見張ったのはボールを失ってからのディフェンスの速さだ。アタッキングサードで失ったボールを、アタッキングサードで奪い返すシーンも珍しくなかった。人数をかけて攻め、うまくいかなくても、そのままの人数で奪い返して、また攻める。評判には聞いていたが、確かに魅力的なサッカーだった。
堅守の両チーム、0-0で前半終了。
一方で、山形の守備も固かった。水戸のコンビネーションに後手を踏む場面もあったが、それでも人数を揃えてゴールマウスを閉じた。
そして攻撃では“横”を意図的に使っていた。横に動かしてから縦、あるいは大きく横に振ってから、また小さく横。サイドからのクロスのみならず、水戸の守備に的を絞らせない仕掛けで反撃に転じ、何度かゴール前に迫った。
しかし、それを今度は水戸が跳ね返す。実は、ここまで(17試合中)水戸は10試合、山形も9試合をクリーンシート(無失点)で乗り切っている。スタイルこそ違えど、つまりは堅守を誇るチーム同士の対戦。
水戸が押し気味。しかしスコアは動かない。予想通りの展開だった。