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鹿島が鬼門とするACLラウンド16。
三竿、優磨が求める「もっと我を」。 

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池田博一

池田博一Hirokazu Ikeda

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posted2019/06/17 08:00

鹿島が鬼門とするACLラウンド16。三竿、優磨が求める「もっと我を」。<Number Web> photograph by Getty Images

グループステージ最終節、伊藤翔の2ゴールで決勝T進出を決めた鹿島。三竿健斗ら主力が復帰し、広島との日本勢対決を迎える。

読書からヒントを得た三竿。

 三竿健斗は、4月28日のJ1第9節横浜FM戦で、今季リーグ戦で初めてスタメンに名を連ねた。ピッチ外からチームを見て、ピッチ内に戻ってチームを見て、気づいたことがある。

「もっと個人が“我”を出していかないと勝てないと思う。今年は若い選手が多いけれど、優磨(鈴木選手)や僕みたいに『もっとこうしろ』って上に言える選手もいないし、みんなただ黙々とやっているだけ。120%でやっているのかというとそうではないと思う。そのぬるさが今はあると思うから。

 そこに気がついて言えるのは僕とか優磨だと思うし、言うからには責任が生まれるからやらないといけなくなる。それを練習から言い合える雰囲気を作っていく必要があるかなと思います」

 三竿自身、この考えに至るきっかけがあった。それは、読書。昨年末から鼠径部の痛みで治療を続けてきた期間、元来の読書家が、さらに本を読む数を増やしたという。

「たくさんの本を読んで、いろいろな考えを頭に入れたことで、自分自身、すごく変わった。たとえば、これまでは力が入りすぎるときもあったけど、本当に自然体でできるようになった。人が言っていることを意識しすぎていたけれど、遠慮せず自分の思っていることをきちんと伝えるようになった。言葉ってすごい。人を変えられるんですから」

「大きなケガは初めてだった」(鈴木)

 同じく、三竿が指摘するピッチでの「我」を必要と感じている選手がいる。6月5日、2度の肉離れから、ようやく全体練習に部分合流した鈴木優磨だ。

 今季、チームの軸となることを期待されながら、昨季からハムストリングのケガに悩まされて未だ出場がない。葛藤のなかで過ごした治療期間は、新たな視点を生み出してくれたという。

「これだけサッカーから離れる大きなケガは初めてだった。そのなかで、サッカーに対して新しい一面が見えた。改めて自分はサッカーが好きだと感じたし、ゴールが自分のすべてを満たすくらいのものだと知った」

 ここまで長く、ピッチ外からチームを見続けることも初めてだった。今シーズンの戦いを見て、思うところがあったという。

【次ページ】 2人が口をそろえる“我を出すこと”。

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