福西崇史の「考えるサッカー」BACK NUMBER
福西崇史「こんなヤバい雰囲気なの?」
コパ・アメリカで感じた異様な熱狂。
posted2019/06/11 11:45
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph by
JFA/AFLO
開幕間近のコパ・アメリカについて僕の経験談を語る前に、まずは日本代表の連戦と久保建英についてです。
エルサルバドル戦、久保はいいポジションを取れていたし、いつも以上にレベルが高い選手が集まる代表だからこそ、もらいたいタイミングでパスも出てきた。ボールを受けてからもアイデアや姿勢、ボールの置きどころなどに高いレベルを見せてくれましたね。ものすごく注目される中で戸惑ってもおかしくないのに、本当に落ち着いてプレーしていた印象です。コパ・アメリカでも、思い切ってプレーしてほしいですね。
また今回の2連戦で、森保監督が試したのは3バックでした。個人的には……いいトライだったと思うし、引いた相手に対しての攻撃的なオプションになるのではと感じます。
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トリニダード・トバゴ戦では両ワイドがなかなか高い位置を取れなかった。その結果、前線の1トップ2シャドーがなかなか連動しませんでした。2シャドーの堂安と中島がサイドに流れることで、1トップの大迫がやや孤立してしまったんですよね。
エルサルバドル戦では原口と伊東の2人が積極的に仕掛けたり、中に入り込んだかと思えば、2シャドーのボールを拾ったりパスコースを作ってきた。前線の3人と距離感を近づけることで、バリエーションが増えました。
3バックが絡んだ得点シーン。
また3バックがゴールに絡んだのも見逃せない。1点目は冨安のパスから永井、2点目は畠中から原口、永井とつながってゴールが生まれています。3バックの両サイドがあそこまで中に入って攻撃に絡めると、相手としては厄介ですから。
W杯アジア予選の対戦相手は、人数をかけて守ってくることが予想されます。そういった意味では3バックは有効な手段になるはず。もちろんこの布陣の中で守備のバランスを整えたいなら、長友や酒井を起用するのも1つの手。起用する選手次第で変化をつけられるのでは、と。