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誰よりもバットを振るDeNA神里和毅。
コーチも感心する“縦振り”効果。 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byKyodo News

posted2019/06/09 09:00

誰よりもバットを振るDeNA神里和毅。コーチも感心する“縦振り”効果。<Number Web> photograph by Kyodo News

6月6日現在、打率.315でランキング6位につけるDeNA神里和毅。

今季増えたレフト方向への打球。

 また今季の神里を見ていて昨年との違いをとくに感じるのは、バットの軌道に付随しレフト方向への打球の質が変わったことだ。とくに追い込まれてから際どい変化球をしっかりと溜めて待ち、いわゆる“軽打”でショートの頭上へと跳ね返す。これは昨年までは見られなかったヒットだ。神里は言う。

「たしかに去年はなかった感覚だと思います。スイングが横振りだとああいうヒットは打てないし、縦振りだからこそ体を開くことなく我慢できている。先日も追い込まれてからインコースのボールを振ってショートゴロだったんですけど、ヒットになるかならないかは別にして逆方向への意識づけができればいいのかなって」

 試すことと意識づけ――坪井コーチが言うように結果を出さなければいけない中で実行するのは難しいことだが、レベルアップするためには必要なことであり、変化を経ることで神里はプロとしてのステップを確実に踏んでいるといっていいだろう。

筒香ら主軸を生かすリードオフマン。

 あと機動力に乏しいDeNAにあって貴重なグリーンライトの神里だが、盗塁に関しては8個とまだまだ物足りない。

 ただ、6月1日のヤクルト戦では4安打に加え2個の盗塁を決めているのだが、いずれも先発の清水昇のカーブを読みきりスタートしたといい、昨年までの思い切り重視ではない、洞察力も身につけつつある。

 再浮上を期すチームが勝利するためにも、宮崎、ソト、筒香、ロペスの前を打つ神里の出塁は必要不可欠。現状として桑原将志や楠本泰史らが不安定なため、ライバル不在のリードオフマン争い。

 目標であるレギュラーを勝ち取るためにも神里のさらなる変化と成長に期待したい。

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