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逸材は高卒1年目でも二軍で打つ?
根尾、藤原、小園が超えるべき数字。
posted2019/06/06 11:30
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
Kyodo News
昨年秋のドラフト会議では、高校生野手3人に西武を除く11球団が1位入札した。
根尾昂にはヤクルト・巨人・中日・日本ハムが、小園海斗には広島・DeNA・ソフトバンク・オリックスが、そして藤原恭大には阪神・ロッテ・楽天が競合。投手重視の指名戦略を練ることが多い日本のドラフトで、複数の高校生野手がこれほど注目されたドラフトはかつてなかったはずだ。
そして、どの球団も3人の序列をつけるのは非常に苦労したことだろう。
おそらく誰か1人に迷いなく絞ったという球団はないのではないか。言い換えれば入札した選手も、見送った2人もほぼ同等の評価をしていたに違いない。
世代を代表する「最強打者」が3人もいる。開幕から2カ月が経過した。「最強トリオ」の現在地を見ておきたい。
下積み中の藤原、小園、そして根尾。
チームの高卒新人野手では1965年の山崎裕之以来となる開幕スタメンを勝ち取った藤原は、一軍では6試合、19打数2安打という成績で二軍での本格育成プランをスタートさせた。イースタン・リーグでは31試合に出場し、打率.236、2本塁打を放っている(以下、今季の二軍成績はすべて6月4日現在)。
同じくチーム19年ぶりの高卒新人野手の開幕一軍を勝ち取った小園ではあるが、出場機会はないままに二軍へ。こちらはウエスタン・リーグで38試合に出場し、打率.168、4本塁打という数字である。
自主トレ中の故障によりトリオの中ではただ1人出遅れた根尾は、二軍戦のみの出場。42試合で打率.141、1本塁打となっている。
詳細に二軍の成績も追っている野球好きを別とすれば、驚くファンが多いかもしれない。
「やはり二軍とはいえ、プロは厳しいのか」
「すごい、すごいと言われていてもまだ高校生だったんだな」
「今いるスーパースターたちだって、最初は苦労したんだから」
筆者もそう思っていた。