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誰よりもバットを振るDeNA神里和毅。
コーチも感心する“縦振り”効果。 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byKyodo News

posted2019/06/09 09:00

誰よりもバットを振るDeNA神里和毅。コーチも感心する“縦振り”効果。<Number Web> photograph by Kyodo News

6月6日現在、打率.315でランキング6位につけるDeNA神里和毅。

安打数よりも三振が多い。

 ルーキーイヤーの昨季、神里は273打席で62安打を放っているが、今季は216打席ですでに64安打(以下、データは6月6日現在)を記録している。打率は3割をコンスタントに維持しており、自らに課した変化は、目に見えて成果として出ているといっていいだろう。

 だが問題がないわけではない。それはリーグワースト2位となる65個の三振数だ。リードオフマンとして安打数より三振数が多いのはいただけない。もしかすると、これは縦振りにしたことの弊害なのだろうか。

「いや、それは違います」と、神里はきっぱりと言った。

「それは単に僕が低めが好きだというのもあって、がっついてしまい振ってしまったというか……反省すべき点ですね」

「ときには試す打席も必要」(坪井コーチ)

 坪井コーチは次のような見解を示す。

「厳しい言い方をすれば意識の低さ。ファウルで追い込まれて、ボールに外れる変化球で空振り三振ですからね。ただ、最近はだいぶ振らなくなってきたし、意識づけはできつつあるのかなと。

 まあ、そこは難しいところで打者にとっては永遠のテーマ。低めを絶対に振らないのか、それとも低めは無視して高めだけに絞るのか考え方はいろいろとありますし、ときには結果を求めながらも試す打席は必要だよとは伝えています。もうちょっとフォアボールと内野安打が増えれば、課題である出塁率だってもっと上がるでしょうし、それが計算できる資質のある選手であることは間違いない。

 とにかく休みの日でもバットを振っているし、誰よりも練習している姿を見ているので、早く一人前になってもらいたいですね」

 要求の多さは、つまりは期待の大きさの表れでもある。

【次ページ】 今季増えたレフト方向への打球。

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