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ダービーはやはり「特別」なのだ。
歴史に残る大逆転はなぜ起きたか。

posted2019/05/27 11:45

 
ダービーはやはり「特別」なのだ。歴史に残る大逆転はなぜ起きたか。<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

ロジャーバローズに跨った浜中俊は、ダービー制覇を喜ぶというよりも信じられないという表情をしていた。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Keiji Ishikawa

 令和最初の「競馬の祭典」は、波乱の結末となった。

 第86回日本ダービー(5月26日東京芝2400m、3歳GI)を、浜中俊が騎乗した12番人気のロジャーバローズ(牡、父ディープインパクト、栗東・角居勝彦厩舎)が優勝。2016年に生まれたサラブレッド7071頭の頂点に立った。勝ちタイムの2分22秒6はダービーレコード。

 圧倒的1番人気に支持されたサートゥルナーリアは4着に敗退。'05年のディープインパクト以来14年ぶりの「無敗のダービー馬」の誕生はならなかった。

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 ゲートが開いた瞬間、11万人を超える大観衆から悲鳴が上がった。

 大本命のサートゥルナーリアが立ち上がるような格好になり、出遅れたのだ。

 予兆はあった。パドックでは落ちついて周回していたのだが、馬場入り後、しばらく待機しているうちにテンションが上がってきた。ゲートに向かうとき、首を大きく上下させ、鞍上のダミアン・レーンを煩わせる姿がターフビジョンに映し出されると、場内がどよめいた。

 それほど大きく出遅れたわけではなく、すぐに馬群に取りついて後方に待機した。しかし、スタートというのは、駐立した状態から急に走り出す、もっとも負荷のかかるところだ。そこで他馬より余計にエネルギーを使わざるを得なかったロスは、やはり痛かった。

ペースがもう少し遅ければ……。

 レーンはこう振り返った。

「馬のテンションが高くなり、ゲートのなかでガタガタしてしまった。いったん落ちついたが、ゲートが開くときにまた緊張感が高くなりすぎてしまい、後ろからのレースになってしまいました」

 それでも、もしこのレースがスローで流れていれば、道中のラップが落ちたときにポジションを上げて無理なくリカバリーできたかもしれない。が、ハナを切ったリオンリオンは、1000m通過57秒8というハイペースでレースを引っ張った。これほどの激流になると、短距離戦同様、途中で動くことはできなくなる。

【次ページ】 上がり3ハロンは最速も、届かず。

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#浜中俊

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