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神戸の“教材”を手にU-20W杯へ!
郷家友太の解答用紙は埋まる?
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/04/25 11:15
イニエスタらトッププレイヤーのもとで技術を磨く郷家友太。千葉合宿ではFWとして起用された。
高校時代から際立っていた「学ぶ姿勢」。
彼にはきちんと謙虚に学ぶ姿勢がある。これは高校時代からそうだった。
人の話をきちんと聞き、自分の言葉できちんと話す。相手をしっかりと洞察し、自分なりの分析をした上でそれを行うのだから、彼と話をしていて“思慮深さ”と“自分を客観視できる大人の感覚”を覚えた。
プロ入り後も、学ぶ姿勢は変わらない。何度も言うが、彼が今ポジション争いをしている選手は、言わずと知れた世界トップクラスの名手ばかりだ。高卒2年目の彼が苦しむのはある意味当たり前であるが、裏を返せば、彼からすると、神戸は世界最高級の「教材」が揃う素晴らしい学びの場でもあった。
イニエスタ、ポドルスキ、ビジャ。
「アンドレスからもらった教材は、体格差をどう埋めるか。高さ、強さが関係ない技術をどれだけ持つことができるか。アンドレスはどんな屈強な選手が飛び込んできても、技術でかわす。ポイントはファーストタッチ。足元に止めて相手に飛び込ませないようにするのか、逆にずらして相手の飛び込んだ力を利用してかわしていくのかの2つ。シンプルですがその使い分けの判断がかなり凄い。
これを僕のプレースタイル、技術でやるとすれば、高さを生かしたい。僕が得意なヘッドを使うことで、空間でコントロールできればもっと怖い選手になれると思う。
ビジャからはシンプルにシュートを学びました。独特のタイミングで打つのでGKが反応できない。クサビのパスを受けるときにボールを落とす形があっても、自分でトラップを変化させて、反転シュートをしたり。筋力は日本人と変わらないけど、コースに蹴り分けるのがうまい。そうした駆け引きと変化、コースの蹴り分けを学んでいます。
ルーカスは1本のキックで打開できる。ビジャとルーカスはパワーが違って、ルーカスは相手が来る前に打つ。変なタイミングで打つのではなく、冷静に一瞬でパワーを溜めて打てることが凄い。冷静かつ強引に打つルーカスと、冷静かつ強引に持ってから打つビジャ。双方できるようになりたい」