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大谷同僚トラウトが470億円契約。
MLBでは「FA回避」が当たり前?
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2019/04/14 08:00
マイク・トラウトは4月4日から4戦連発で5本塁打を記録。4月1日~7日の週間MVPにも選ばれた。
変化しつつあるFAの重み。
実際、過去40年以上にわたり、選手の権利として存在してきたFAの重みは、徐々に変化してきた。実績を残せば好条件を手にできる一方で、不振の選手は正式オファーにいたらないケースも少なくない。
'15年サイ・ヤング賞左腕のダラス・カイケル(31=前アストロズ)、昨季、世界一奪回に貢献した通算333セーブの快速右腕クレイグ・キンブレル(30=元レッドソックス)ら、超高額契約が見込まれる選手が、開幕後(4月9日時点)でも所属先が決まらず、依然として「浪人」する事態に追い込まれている。
オールスター出場5回、通算270本塁打のアダム・ジョーンズ外野手(33=前オリオールズ)は、キャンプイン後、前年から15億円超の減額となる年俸3億3000万円でダイヤモンドバックスと契約。
このほか、実績を残しながら、今季はマイナー契約からスタートする選手も数多い。
FA回避、増える長期契約。
その結果、トラウトだけでなく、多数の主力選手が契約延長を選択する傾向が顕著になった。ロッキーズがノーラン・アレナド内野手(28)と8年287億円、メッツがジェイコブ・ディグロム投手(30)と6年187億円、さらにブレーブスがメジャー登録165日のロナルド・アクーニャ外野手(21)と8年111億円の契約を交わすなど、「FA回避」の流れが加速化してきた。
FAか、契約延長か――。
現時点で、どちらが正解なのかは分からない。
いずれにしても、今後数年間は、選手・代理人側と球団との間で、シビアな駆け引きが繰り広げられることになりそうだ。