草茂みベースボールの道白しBACK NUMBER
オープナーは日本球界に浸透するか。
実現条件と挑戦に対する日米格差。
posted2019/03/29 08:00
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
Getty Images
メジャーリーグ(MLB)の潮流は、日本プロ野球(NPB)よりはるかに速い。
2017年のワールドシリーズをアストロズが制したとき、いち早く「フライボール革命」を取り入れたことが注目された。
ところが、同年はMLB史上最多の6105本乱れ飛んだ本塁打が、昨シーズンは5585本に減少した。
昨年、5年ぶりにワールドシリーズを制したレッドソックスのA・コーラ監督は、前年までアストロズでコーチを務めていた人物である。フライボール革命の効果を知り抜いているはずの新監督は、踏襲ではなく進化を持ち込んで世界一へと駆け上がっている。
「選手に伝えたのは打球の角度よりも速度を意識してくれということだ。つまりハードヒットだ」
角度をつけようとする打者に、当然ながら投手も対抗手段を講じた。具体的には高めの速球の割合が増えた。恐らくコーラ監督はそうなることを見越していたのだろう。レッドソックスはさらにその先への一手を打ったのだ。
レッドソックスの主砲、J・D・マルティネスは「あらゆる打席で本塁打を狙うなんて打撃は通用しない」と語り、打点王に輝いた。
要するに強い打球を打つ。現在はトラックマンで角度、速度、回転数などが即座に出るからわかりやすいだけで、いわば打撃の原点に回帰したともいえる。
先発にリリーフを送り込む奇策。
一方、投手起用で昨シーズンから注目されているのが「オープナー」と「ブルペンデー」である。
先駆けはレイズのK・キャッシュ監督。5月19日のエンゼルス戦で、リリーフのS・ロモを先発させた。2回から本来の先発タイプを登板させる「オープナー」を、レイズは57試合も実行した。2番手以降も救援投手でまかなうのが「ブルペンデー」。こうした奇策ともいえる起用は、野球の永遠の課題と初めて向き合った産物ともいえる。