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グランパスは過去より「前」を見る。
風間監督とランゲラックの似た言葉。 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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posted2019/03/19 17:00

グランパスは過去より「前」を見る。風間監督とランゲラックの似た言葉。<Number Web> photograph by AFLO

Jリーグ屈指のGKであるランゲラック。風間グランパスが攻撃的な姿勢を追求できるのも彼がいるからだ。

高萩らが狙っていた「背後」。

 対する名古屋はマイボールになると、周囲の味方が複数のパスコースを作り、出しては動き、動いては受ける。

 新戦力のジョアン・シミッチ(旧ユーゴ系の選手ではなく、Schmidtをブラジルのポルトガル語で読むとこうなるのだろう)を中心にポゼッションを高める一方、時には前線のジョーへ長いパスを狙うことも。アウェーチームも前半に二度の決定機をつくったが、ガブリエル・シャビエルとジョーの2つのボレーはGK林彰洋に阻まれた。

 前半から東京は名古屋の高い最終ラインの裏を狙い、後ろからのフィードを合図に、攻撃陣と守備陣がヨーイドンで競争する場面も見られた。

 そして、後半9分の決勝点も一瞬の逆襲から生まれたものだ。名古屋の少ないタッチのパス交換をプレスで分断すると、最初の決定機と同じように東が永井へスルーパス。狩猟する動物を想起させる爆発的な脚で広野に飛び出した背番号11は、GKランゲラックの目前まで高速でボールを持ち運び、滑り込みながらシュートをゴールに収めた。

「狙いは(相手の)背後。(名古屋の)ディフェンスラインは高いので、そこを狙う練習を意識的にやってきました。それがうまくいった」

 試合後の高萩洋次郎の言葉を借りるまでもなく、今日の勝者の思惑は明白だった。名古屋が何度かあった決定機を決めていれば、結果は違ったかもしれないが、最終スコアは1-0。どんな形であれ、昨季と同じく4戦目で初黒星を喫している。

ランゲラック「まだまだ成長段階」

 その後、高い最終ラインの後ろでゴールを守るランゲラックに声をかけた。いつもハキハキと受け答えするナイスガイなら、敗戦後でも正直な胸の内を明かしてくれるだろうと期待して。

「難しい試合だった。内容を反映するなら、引き分けが妥当だと思う。今日は少し運がなかったけど、ここまでの4試合に僕は満足しているよ」

 名古屋の最終ラインの後ろには大きなスペースがあるけど、君はアンジェ・ポステコグルー監督が率いた頃のオーストラリア代表でもプレーしているから、問題はないのかな?

「まったくないよ。個人的にもこんなスタイルが好きだし、確かにあの頃の代表での経験は今に生きていると思う。僕らはまだまだ成長段階にある。昨季は相手にチャンスを与えすぎていたけど、それも少しずつ改善されている。

 ラインコントロールは特に向上したと思うな。これからもチームメイトとうまくコミュニケーションをとって、互いの特徴を心得ておくことが重要だ。僕はボックスの外に飛び出すタイプではないので、その意味でもバランスが大事だね」

【次ページ】 「前を見て、進んでいくしか」

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