球体とリズムBACK NUMBER
グランパスは過去より「前」を見る。
風間監督とランゲラックの似た言葉。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byAFLO
posted2019/03/19 17:00
Jリーグ屈指のGKであるランゲラック。風間グランパスが攻撃的な姿勢を追求できるのも彼がいるからだ。
「前を見て、進んでいくしか」
最後に監督会見と同じ質問を投げてみた。名古屋が昨季の歩みを繰り返さないためには、何がカギになる?
「まずはそれ自体を忘れること。連勝の後に連敗が続いた時は苦しかったし、ムードも悪くなった。今季はそうならないことを願っているよ。でも、J1はとても競争力の高いリーグだ。すべての試合で気を抜くことはできないし、どのチームがどこに勝ってもおかしくない。とにかく今に集中して、厳しい毎試合に万全の準備をして臨むしかない」
風間監督も冒頭の回答の後、ランゲラックと似たようなことを言った。
「我々は前を見て、進んでいくしかない。今日のような試合をしっかり勝ち切る力をつけなければならない。それは昨季も同じ。自分たちが今よりも良くなるように、やるだけです」
わかりやすいカギなんてものはない。メディアが好みそうな質問への答えは、そんな意味を含んでいたのだろう。我々は時に、同じ言葉を使いすぎる。
勇敢なスタイルで挑み続ける名古屋にとって、この敗北が下り坂の始まりにならないことを願う。