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日本のエース・比江島慎でも控え!?
好調の栃木ブレックスが持つ「強み」。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byB.LEAGUE
posted2019/03/15 08:00
2月のW杯アジア予選Window6ではイラン戦24得点、カタール戦12得点とエースとしての力を見せた比江島。
スタメン出場を約束されない理由。
選手登録が済み、試合に出られるようになったのは1月16日のリーグ戦から。ただ、それ以降のスタメン出場は、1月30日の秋田ノーザンハピネッツ戦だけだ。しかも、本来であれば先発で起用されるはずの鵤(いかるが)誠司が欠場したことが、チャンスを与えられた理由でもあった。
そして3月9日に迎えたホームでのシーホース戦は、鵤が試合でプレーできる状態だった。しかし比江島は初めて相手に先発でチャンスを与えられた。
比江島の実力は誰もが認めるところだが、オーストラリアで試合に出る機会が限られていたために試合勘が失われていた。それもスタメン出場が限られる理由だった。
ただ、最大の問題はそこではない。古巣との対戦後、比江島自身がこう語っていた。
「今まで(チームが)本当に上手くいっていた中でのスタメンチェンジだった。自分は本当の意味でプラスアルファをもたらさないと意味がないと思っていました」
高い勝率を誇るブレックス。
「上手くいっていた」という発言は、お世辞でも謙遜でもない。
ブレックスのここまでの成績は37勝8敗だ。東地区首位の千葉ジェッツとは1勝差で、同地区2位につけ、勝率は.822を記録している。
この勝率がいかに高いものか、ご存じだろうか。
B1リーグファーストシーズン、全地区のなかで最高勝率を記録した川崎ブレイブサンダースの.817、セカンドシーズンで最高勝率のシーホース三河の.800をもしのぐ成績なのだ。
今シーズンは東地区でジェッツとブレックスが、Bリーグ史上最高レベルの首位争いをしている。1月の天皇杯決勝もこの2チームが戦い、富樫勇樹のブザービーターでジェッツが勝つというシーソーゲームだった。
安定して好成績を残しているブレックスだが、実はハンデを背負っている。
キャプテンの田臥勇太は負傷によって、今季6試合目の10月20日のレバンガ北海道戦以来、試合に出場できないでいる。また昨シーズンの3ポイント成功率王である喜多川修平も、開幕前に右膝の十字靱帯断裂と外側半月板損傷の重傷を負い、未だに公式戦のコートに立っていない(インジュリーリストからはすでに外れ、3月2日の三遠ネオフェニックス戦から試合に出られる状態になったし、復帰は間近)。