連勝に貢献した比江島。

　この2連戦に先発し、連勝に貢献した比江島は、古巣との初対戦で緊張感があったことを、はっきりと認めている。ただ、それとは別に、スタメンで起用されたがゆえの「プレッシャー」を感じていたという。

「自分がチームに、プラスアルファのものをもたらせないと意味がないと思っていた。そうしたプレッシャーを感じながらやっていました。そこについては、相手が三河なのは関係ないというか……」

　その上で、こうも付け加えた。

「個人的には今までのなかでは一番、強度を高めてディフェンスできたかなという手ごたえはある。それを継続できればいいかなとは思っています」

HCも認めたチームへの献身性。

　もっとも、比江島がスタメンの座を確保したわけではない。これまで鵤は強烈な守備とハッスルプレー、そしてポイントガードもこなせる器用さでチームを助けてきた。そんな彼をサブに回すと決めたわけではないと、安齋HCも認めている。シーホースとの2戦目を終えた時点で、指揮官はこう話している。

「比江島は本当に良いディフェンスをしていたと思います。自分のプレータイムのためというより、チームのために、しっかり（チームで決められたディフェンスの）ルールを守ってやってくれた。ルーズボールやリバウンドに対する意識も、このチームにずっといるメンバーは『そんなことはわかっていて当たり前』という感じになりがちです。だけどシーズン途中から入ってきた比江島や、昨シーズンであれば（喜多川）修平などは、『しっかりとやらなきゃいけない』という意識を高く持ってくれている。

　今日の比江島の意識は、チームのなかでも一番、高かったんじゃないかなと。そこに刺激を受けて、他のメンバーもやってくれると、チーム力がどんどんアップしていくと思います」

　比江島を活かすためにチームがあるのではなく、チームが勝つために比江島が働かないといけない。それは比江島だけではなく、ブレックスの他の選手についてもあてはまる。たとえ、田臥であっても。

　そこにこそ、彼らの強みはある。

【次ページ】　ファン増加は戦力補強と同じ。