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日本のエース・比江島慎でも控え!?
好調の栃木ブレックスが持つ「強み」。
posted2019/03/15 08:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
B.LEAGUE
バスケットボール日本代表が自力では21年ぶりとなるW杯の出場権を勝ち取る過程で、決定的な働きをしたのが比江島慎である。
でも、そんな彼でさえ、所属する栃木ブレックスではスタメンを確約されていない。もちろん、能力を評価されていないわけではない。
ブレックスの安齋竜三ヘッドコーチ(HC)は比江島をこう表している。
「日本を代表するエース」
では、なぜ盤石の立場ではないのか。
それは比江島が簡単に先発の座を勝ち取れないという状況こそが、栃木ブレックスの「強み」であるからだろう。
昨夏に豪州移籍も、1月に栃木復帰。
比江島は、昨シーズン終了後の昨年7月、シーホース三河からブレックスへと戦いの場を移した。しかし、ブレックスで試合に出場しないうちに、同8月にオーストラリアのブリスベン・ブレッツへと移籍。今年1月にブレッツを退団し、ブレックスのユニフォームに袖を通すタイミングが巡ってきた。
ちなみに昨年7月、ファンへのお披露目を兼ねて行なわれたブレックスへの入団会見でのこと。比江島が移籍を決断した理由の1つは、海外移籍の際にブレックスが最大限のサポートをしてくれるからだった。その時、ファンの1人がこんなメッセージを送り、話題となった。
「仮にブレックスでプレーすることなく海外挑戦をして、ブレックスに戻って来ることがなかったとしても、ブレックスファンは『ブレックスの比江島慎』としてずっと応援する。そのつもりで海外に挑戦してください」
その言葉通り、比江島はオーストラリアへの挑戦を選択したわけだが、彼はブレックスのファンから愛され続けている選手である。