酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
2019年プロ野球選手データ大調査。
実は全914人の半数以上が投手!
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2019/03/10 11:30
吉田輝星は175cm84kg、2001年1月12日生まれ、秋田県出身。このデータだけでも色々な楽しみ方がある。
左投げより左打ちの方が多い。
野球には利き腕があり、投手ではサウスポーが希少な存在として重宝される。また両打ちのバッターもいるが、プロフィールの投打を調べてみるとこうだった。
<投手>
左投 138人(28.9%)
右投 340人(71.1%)
<野手>
左打 184人(42.2%)
両打 17人(3.9%)
右打 235人(53.9%)
左投げの投手より、左打ちの打者のほうが約14%多い。これは「左打者のほうが有利」とされていることが大きいのだろう。もともと右打ちだったが、アマレベルで左打ちになるケースが多いのだ。MLBでは両打ちは1割程度いるが、NPBで両打ちを目指す選手は少数だ。
野手の投打の組み合わせは、こうなる。
右投右打 235人(53.9%)
右投左打 160人(36.7%)
右投両打 17人(3.9%)
左投左打 24人(5.5%)
野球では左投げの野手は一塁か外野を守るのが定石となっている。それでは汎用性がぐっと狭くなるので、もともと左利きでも右投げに矯正することが多い。また打者としては前述のように左打が有利なため、右打席から左に転向することが多い。このため右投左打が、右投右打に次ぐ勢力になっている。
左投げの野手はロッテの福浦和也、オリックスのT-岡田、ロッテのルーキー藤原恭大ら24人しかいない。
平成になって減った左投左打。
しかしこれは、平成以降の傾向だ。
昔の大打者は、左投左打が圧倒的に多かった。通算安打数10傑のうち、1位の張本勲、3位の王貞治、4位の門田博光、5位の福本豊が左投左打、右投左打は7位の金本知憲、8位の立浪和義だけ。この2人は主として平成になってから活躍している。
金本、立浪以外にもイチローや松井秀喜ら右投左打の成功者が続出したため、いつの間にやら「左投左打」の打者が絶滅危惧種になっていたのだ。