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<WTA「BNPパリバ・オープン」展望>
大坂なおみ、連覇への険しい挑戦。

posted2019/03/04 16:00

 
<WTA「BNPパリバ・オープン」展望>大坂なおみ、連覇への険しい挑戦。<Number Web> photograph by AFLO

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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 今年一つ目のWTA〈プレミア・マンダトリー〉であり、同じく今年一つ目のATP〈マスターズ1000〉である『BNPパリバ・オープン』が間もなく開幕する。

〈プレミア・マンダトリー〉は年間4大会しかなく、その中でもシングルスのドロー数が96あるのは、このインディアンウェルズと、すぐ翌週に続くマイアミの2大会だけ。今年のシングルス優勝賞金は135万4010ドル(約1億5000万円)で、文字通りグランドスラムに次ぐビッグイベントである。

『BNPパリバ・オープン』は大会の正式名称だが、テニス界では、いつ変わるかわからない冠スポンサーの名前ではなく開催地で大会を呼ぶのが慣例だ。『インディアンウェルズ』。42年の歴史を持つテニス大会の開催地でなければ、ほとんどの日本人が恐らく耳にすることもないこの地名は、だからこそ特別な響きがある。南カリフォルニアの砂漠地帯に築かれた高級リゾート都市で、リッチな人々が作り上げるテニスの祭典は、プレーヤーが選ぶ『トーナメント・オブ・ザ・イヤー』でも男女ともに過去5年連続で選ばれている。

 実は、砂漠地帯特有の乾いた空気のせいかボールがよく飛び、「打球感覚が得られない」とこぼす選手も少なくないのだが、それを補う環境と運営のクオリティの高さなのだ。選手にとっての居心地の良さは、パフォーマンスのクオリティに反映されてファンを喜ばせる。気温30度前後のカラリとした3月の気候も、テニスを味わうのにうってつけだ。

昨年のインディアンウェルズで初優勝。

 21歳の新女王・大坂なおみのシンデレラ・ストーリーは、昨年のこの場所から始まった。

 グランドスラムデビューも果たした2016年の1年間で世界ランキングを144位から40位まで上げた大坂は、しかし翌年は伸び悩んだ。グランドスラムはあいかわらず3回戦の壁を突破できず、ツアーでもベスト8が精一杯という状況。背負っていた『将来の女王候補』という肩書きが不安気に一人歩きし始めていた。

 そんな中、2018年のスタートは全豪オープンの4回戦進出で壁を一つ越え、このインディアンウェルズでマリア・シャラポワ、アグニェスカ・ラドバンスカ、カロリナ・プリスコバ、シモナ・ハレプというビッグネームを次々と倒しての見事なツアー初優勝を果たしたのだ。

 インディアンウェルズはここ数年は番狂わせが多く、過去5年で一桁ランキングの選手が優勝したのは2015年の当時3位だったシモナ・ハレプのみ。プレミア・マンダトリーの他大会(マイアミ、マドリッド、北京)と比べても“番狂わせ度”は顕著だが、その中でも世界ランク44位だった大坂の優勝は劇的だった。

 しかしその後は決して順風満帆ではなく、「インディアンウェルズのあと、みんなが自分を倒そうと向かってくるのがわかったし、私も全ての試合に勝たないといけないようなプレッシャーを感じた」と、多少のスランプも経験した。が、そういう時期があったからこその半年後の全米オープン制覇だっただろう。さらに、年明けの全豪オープンを制して史上26人目の女子世界ナンバーワンとなり、〈大坂時代〉の幕開けを高らかに宣言した。

【次ページ】 バインが抜け、新コーチ決定。

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