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<WTA「BNPパリバ・オープン」展望>
大坂なおみ、連覇への険しい挑戦。
text by

山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byAFLO
posted2019/03/04 16:00

復活のクビトバ、大坂世代の台頭。
現在のトッププレーヤーの中では、2015年の優勝者でもあるハレプや、2011年に優勝、2013年に準優勝しているカロライン・ウォズニアッキが大会と相性がいい。プリスコバとアンジェリック・ケルバーはベスト4が2回。強盗の襲撃による左手負傷から全豪オープンの準優勝で完全復活したペトラ・クビトバはベスト8が最高だが、やはり気になるベテランの一人だ。
他の大坂世代にも期待は大きい。
昨年、大坂と決勝を戦ったのは同い年のダリア・カサキナだった。この1997年生まれのグループは逸材揃いで、パワーの大坂と技巧派のカサキナとの好対照の対決は「未来の女王対決」と呼ばれたものだ。ちなみに、2017年の全仏オープンでノーシードからの優勝を果たしたエレナ・オスタペンコも同じ97年生まれだが、カサキナもこのオスタペンコもこのところやや停滞気味だ。
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その中で、復活してきたのがベリンダ・ベンチッチ。97年組の中で誰よりも早くトップ10入りし、18歳のときにすでに7位をマークしたのだが、2017年は左手首の手術で5ケ月間ツアーを離れて一時は300位台までランキングを落とした。大坂が初戦で敗れたドバイで1年8ケ月ぶりのツアータイトルを手にし、意気揚々とインディアンウェルズに乗り込む。
大坂なおみという大スターの誕生を目の当たりにした人々は、今年も胸躍るドラマを待っている。誰が、どう応えるのだろう。大坂のみならず、個性豊かなライバルたちのストーリーにもぜひ心を寄せてみてほしい。
