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マンCに「0-6」のチェルシーだが、
サッリ解任の決断を下すのは尚早。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2019/02/18 13:00

マンCに「0-6」のチェルシーだが、サッリ解任の決断を下すのは尚早。<Number Web> photograph by Getty Images

メガクラブ同士の一戦でこれほどまでのスコア差がついてしまうのは珍しい。サッリ体制のチェルシーにとって正念場だ。

2月の5試合が正念場。

 パス能力ではジョルジーニョらに勝るとも劣らなかったセスク・ファブレガスは、30代の年齢と高年棒もあり、フロントがモナコへの放出を拒まなかった。そして今冬の移籍市場でセスクの穴埋めを見送っている。

 それでもマンCと比べて選手層で劣る中で「私は常に解任のリスクがある立場だから」と苦笑しつつ信念を貫く攻撃志向のサッリに対して、クラブは後任を探すのではなく支持を公言してもよいぐらいだ。

 しかしクラブによる支持表明はなく、2月の残り4試合がサッリの正念場と見られている。その背景には、タイトル獲得の可能性が減るという見方がある。

 2月18日のFAカップ5回戦は、ホームでマンUと戦う。ここ最近の勢いを考慮すると、劣勢は否めない。24日のリーグカップ決勝では、ウェンブリー・スタジアムでマンCに挑む。アブラモビッチ政権下のチェルシーでは、トップ4圏外の無冠でシーズンを終えて続投を許された監督はいない。

ELで自信を取り戻したバークリー。

 それでもサッリ率いるチェルシーは、14日のヨーロッパリーグ(EL)ベスト32でマルメに先勝(2-1)した。

 マンU戦を睨みアザール、ゴンサロ・イグアイン、カンテらをベンチスタートとした一方で、ジョルジーニョが先発する4-3-3を披露した。終盤に後方のスペースを突かれて僅差の勝利となったが、6割以上ボール支配し、指揮官が「主導権を握った(大敗した)直後の試合で自信を窺わせた」と納得する戦いだった。

 この試合の2得点にはロス・バークリーが絡んだ。ボックス内でペドロのクロスをフィニッシュに持ち込んだ先制点と、中央突破によって追加点を演出した。この活躍によりバックパスのミスでアグエロにゴールを献上したマンC戦での傷心も少しは癒えたことだろう。

 もちろんELも、勝てばCL出場権を得る決勝までは先が長い。また第2レグ翌週には昨年11月に今季初黒星(1-3)をつけられたトッテナムとの対戦を控えている。

【次ページ】 クロップもペップも苦労した。

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